2025年02月02日 シルクロードS G3
優勝馬:エイシンフェンサー
プロフィール
- 生年月日
- 2020年04月29日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:19戦6勝
- 総収得賞金
- 146,239,000円
- 馬主
- (株) 栄進堂
- 生産者
- 木田牧場 (三石)
- 調教師
- 吉村 圭司
- 騎手
- 川又 賢治
春の短距離王決定戦「高松宮記念(G1)」へと続くシルクロードS(G3)は、2月2日京都競馬場芝1,200mを舞台に行われ、中団を追走していた川又賢治騎手騎乗の9番人気エイシンフェンサーが最後の直線で力強く伸びて重賞初出走で初勝利。手綱をとった川又賢治騎手は26回目の重賞騎乗で初勝利。管理調教師の吉村圭司調教師は昨年のラジオNIKKEI賞(G3)に続く重賞勝利で通算11勝目となった。
エイシンフェンサーの生まれ故郷は新ひだか町三石の木田牧場。1954年に創業された生産牧場で、過去には香港とフランスのG1競走に勝ったエイシンヒカリや、2018年の中山牝馬S(G3)に勝ったカワキタエンカ、あるいは軽快な先行力を武器に重賞2勝スマイルカナなどを送り出している。木田さんのご家族に加え、パートなどの手を借りながら、丈夫で強い馬づくりを目指している。
この日、木田生産馬はエイシンフェンサーと、その15分後に発走する根岸S(G3)にエイシンスポッターを送り出す変則の〝2頭出し〟。「こんなことは滅多にあることではない」と思った木田圭介代表は「牧場作業をいつもよりも少し早め、家族でレースを観戦していました」という。
レースは、人気を集めていたソンシが本馬場入場後に異変を察して競走除外。セントメモリーズがゲートを飛び出して外枠発走になるなど、波乱含みの中でスタートした。「関東遠征からの中1週。それでも前走は(カーバンクルS)は強いと思いましたし、調子も良いと伝えられていました。運が良ければ、掲示板に載ることもあるかな」という思いは良い意味で裏切られることとなる。
勢いよく飛び出したものの、行きたい馬を先に行かせての中団待機。最後の直線で外に持ち出されると、力強く伸び1分8秒2(やや重)で先頭ゴールイン。「残り200mくらいで力が入り、ゴール前で先頭に立ったときに勝利を確信しました。私自身、呆気にとられるような末脚でした」と2020年12月のターコイズS(G3)(スマイルカナ)以来となるJRA重賞勝利を噛み締めた。
「ファインニードルとの配合を決めたのはオーナー((株)栄進堂)です。母のエーシンパナギアは性格的にキツいところがある馬で、産駒にもどちらかと言えばそういった傾向がありますが、この馬は比較的扱い易い馬でした。兄姉に比べてレースで我慢できるのは、そういったところが影響しているのかもしれませんね」と生産者目線で愛馬を表現してくれた。
「毎年のように子供を産んでくれるエーシンパナギアは牧場にとっては宝物のような存在です。繁殖牝馬としての仔出しは足して2で割るのではなく、配合種牡馬と良く似たタイプか、自分を伝えるというタイプ。エイシンフェンサーは後者で、馬を確認されたオーナーからお褒めの言葉をいただいたのが印象に残っています」と牧場時代を振り返ってくれた。
「体調次第だとは思いますが、次走は高松宮記念(G1)と聞いています。ちょうど出産時期ですから牧場を離れることはできませんが、馬が頑張ってくれたおかげで、馬を預けていただいているオーナーに大きな舞台をご用意できたのは嬉しい。牝馬にとって体調管理が難しい時期ではありますが、まずは無事に。そして、この馬らしい走りを見せて欲しいと思います」とエールを送っている。