2025年01月26日 プロキオンS G2
優勝馬:サンデーファンデー
プロフィール
- 生年月日
- 2020年05月12日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:19戦6勝
- 総収得賞金
- 157,439,000円
- 馬主
- (株) 吉澤ホールディングス
- 生産者
- グランド牧場 (静内)
- 調教師
- 音無 秀孝
- 騎手
- 鮫島 克駿
フェブラリーS(G1)に向けての重要な前哨戦「第30回プロキオンS(G2)」が1月26日、中京競馬場ダート1,800mコースで行われ、新ひだか町グランド牧場生産で、5番人気サンデーファンデーが、持ち前の持久力を生かしての逃げ切り勝ち。3度目の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。今年2月で定年を迎える音無秀孝調教師は昨年のみやこS(G3)(優勝馬サンライズジパング)に続くJRA重賞勝利で通算90勝目。鞍上の鮫島克駿騎手にとっても昨年のみやこS(G3)に続く勝利で通算12勝目となった。
また、生産者グランド牧場にとっては2023年マーチS(G3)(優勝馬ハヤブサナンデクン)以来の重賞勝利となった。
同馬を所有(馬主名義は(株)吉澤ホールディングス)し、また育成を行った(株)吉澤ステーブルは1995年創業の育成牧場。北海道浦河町の本場と滋賀県、茨城県に合計4つの牧場を構えて、馬だけではなく人材育成にも力を入れている牧場だ。代表の吉澤克己氏が馬術選手だったこともあって、馬術の技術などを積極的に取り入れて、管理馬すべてのデビューと勝利を目標に、これまでタニノギムレットやウメノファイバー、ゴールドシップなど多くの活躍馬を送り出している。
馬主としての(株)吉澤ホールディングスは、これまでダートグレード4勝でケンタッキーダービー(G1)にも挑戦したマスターフェンサーや2021年平安S(G3)2着アメリカンシード、中京2歳S優勝アメリカンステージなどを所有していたが、今回のプロキオンS(G2)がJRA重賞初勝利。しかし、「このレースに向けて馬を仕上げてくれた音無厩舎の方々、馬の持ち味を十分に引き出してくれた鮫島克駿騎手には本当に感謝しかありません。でも実は、このレースの2着馬も、私どもで育成させてもらった馬なのです。素直に喜んで良いのか、育成牧場としては、少々複雑です」と少し困ったような顔で口を開いてくれた。「ベテルギウスSを勝ったときが9番人気。今回が5番人気。レース前、私は気楽な気持ちでしたが、馬は最後まで本当に頑張ってくれたと思います。馬が頑張ってくれたのは長くお世話になった音無秀孝先生や、手塩にかけて育ててくれたグランド牧場の方々のおかげだと思います」と喜びを表現した。
サンデーファンデーは、北海道市場サマーセールの購入馬。せり当日は、吉澤克己氏が北海道セレクションセールで購入した半兄ラインオブソウル(父シニスターミニスター)が小倉競馬場の新馬戦を楽勝した直後というタイミングだった。
「サンデーファンデーも、せりの展示では兄同様に立派な馬体で目立つような馬でした。私自身も気に入って購入した馬ですが、最終的に決め手となったのは、グランド牧場の伊藤佳幸会長(当時)に強く勧めていただいたからです。最初の頃から、いろいろ助けていただくことが多く、私にとっては、まるで〝業界における父親〟のような存在でした」と言う。
しかし、移動した先は名馬、名血がキラ星の如くひしめく(株)吉澤ステーブル。育成を始めた当初は随所に光るものを感じながらも、特別に目立つような動きではなかったと言う。それでもしっかりと基礎を叩きこまれたサンデーファンデーは、2勝目を挙げてから、わずか4戦でオープン入り。きっかけをつかむとあっという間にダート界を代表する1頭となった。
「実は、ドバイからも招待状は届いているのですが、次走はフェブラリーS(G1)を予定しています。昨年秋から使い詰めのローテーションとなりますが、音無厩舎として最後のG1挑戦。悔いの残らないような競馬をして欲しい」と願っている。