2025年01月19日 京成杯 G3
優勝馬:ニシノエージェント
プロフィール
- 生年月日
- 2022年03月04日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:5戦2勝
- 総収得賞金
- 52,127,000円
- 父
- イスラボニータ
- 母 (母父)
- ビクトリアスマイル by ノヴェリスト(IRE)
- 馬主
- 西山 茂行
- 生産者
- カミイスタット (新冠)
- 調教師
- 千葉 直人
- 騎手
- 津村 明秀
皐月賞(G1)と同じ舞台で争われる重要な前哨戦「第65回京成杯(G3)」は1月19日に小雨降る中山競馬場で行われ、道中は後方でしっかりと脚を溜めた津村明秀騎手騎乗の11番人気ニシノエージェントが、最後の直線で前を行く2頭をゴール前で交わして快勝。デビュー5戦目、初の重賞挑戦でビッグタイトルを手中にした。管理する千葉直人調教師は4度目のJRA重賞挑戦で、これが嬉しい初勝利。津村明秀騎手にとっては昨年のヴィクトリアマイル(G1)(優勝馬テンハッピーローズ)に続く重賞勝利で通算19勝目となった。
ニシノエージェントの生まれ故郷は新冠町のカミイスタット。1942年に現在代表を務める上井武光さんの父、義太郎さんによって創業。現在は上井武光代表とそのご家族ほかスタッフ3人とパート1人で「1頭々々にしっかりと手をかける」という方針のもと約20頭の繁殖牝馬、当歳馬、1歳馬を管理している。
生産馬によるJRA重賞勝利は2023年の京都ハイジャンプ(JG2)(優勝馬ダイシンクローバー)に続くもの。平地重賞では2013年のフェアリーS(G3)(同クラウンロゼ)以来の重賞勝利となった。
この日、上井武光代表は牧場事務所のテレビで、普段は苦楽を共にするスタッフとレースを観戦していたそうだ。「ダイシンクローバーが頑張ってくれていますが、平地重賞は昨年夏の小倉記念(G3)(ヴェローナシチー)以来のこと。幸い、前走で勝たせてもらいましたが今回は相手も強くなって、人気もありませんでしたのでとにかく無事に。調教でも良い動きをしていたそうなので、先々につながるようなレースをして掲示板に載ってくれたら嬉しいなという思いでした。もちろん、応援に行きたいという気持ちもありましたが、この時期は出産を控えた繁殖牝馬がたくさんおりますので」と少々照れたように話してくれた。
レースでは、ややあおり気味のスタートから後方待機。4角手前から馬群を縫うように進出した。
「道中の手応えも良く、4角を回ってからの脚色が良かったので、これは…」という生産者の期待に応えるように一完歩毎に前を行く馬との差を詰め、そして嬉しい先頭ゴールイン。「最後の直線はスタッフと大盛り上がりでした。厩舎の方々がしっかりと仕上げてくれて、そしてジョッキーが馬の力を引き出してくれました」と笑顔で感謝の言葉を重ねた。
ニシノエージェントの母ビクトリアスマイルは2021年に(株)ジェイエス主催繁殖馬セールで上井武光さんが購入した。その時に受胎していたのが、のちのニシノエージェントだ。
「桜花賞馬マルセリーナや、ヒートオンビート、グランデッツァ、ラストドラフトなどが名を連ねる血統に魅力を感じ、実際に見た馬体も良かったのでせりに参加しました。予算内で買うことが出来て良かったです。ラッキーでした」とまた笑顔。
生まれた仔は「骨格もしっかりしていて、馬格にも恵まれていました。手のかからない性格で、ここでお話しできることがないくらい順調に育ってくれた馬でした」。すぐに西山オーナーの代理人の目に留まり「当場にいたのは当歳の秋までです。京成杯(G3)というタイトルももちろん嬉しいですが、この勝利で皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)に向かうことができるのが嬉しい。これまで牝馬のクラシックや菊花賞(G1)は出走経験がありますが、もし仮にこのまま無事に出走できれば、それは牧場にとって初めての事なのです。丈夫に育ててくれた中期育成の牧場、西山牧場の方々のおかげです」と声を弾ませた。
「出走が叶ったなら、ぜひ応援に行きたいと考えています。そのためにもまずは無事に。そして出走できたなら、悔いがないようなレースをして欲しい」と期待に胸を膨らませている。