重賞ウィナーレポート

2024年12月29日 東京大賞典(中央交流) G1

2024年12月29日 大井競馬場 晴 良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:フォーエバーヤング

プロフィール

生年月日
2021年02月24日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦5勝
総収得賞金
254,200,000円
リアルスティール
母 (母父)
フォエヴァーダーリング(USA)  by  Congrats(USA)
馬主
藤田 晋
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
坂井 瑠星

 2024年はサウジダービー(G3)とUAEダービー(G2)を優勝。続くケンタッキーダービー(G1)では僅差の3着となり、ダート三冠最終戦となるジャパンダートクラシック(Jpn1)を優勝してから望んだ、ブリーダーズカップクラシック(G1)でも3着に入着。まさにワールドワイドな活躍を見せていたフォーエバーヤングが、暮れの大一番である東京大賞典(G1)に出走してきた。

 「勝てなかったレースこそありましたが、今年はフォーエバーヤングにとって素晴らしい一年となりました。その集大成となるのが東京大賞典(G1)だと思っていただけに、矢作芳人先生も戦前に話していたように、負けられないレースになると思っていました」とはノーザンファーム早来の桑田裕規厩舎長。フォーエバーヤングの騎乗育成を手掛けてきただけでなく、ケンタッキーダービー(G1)の後にはジャパンダートクラシック(Jpn1)に向けての調整も行ってきた。

 「この夏の調整はジャパンダートクラシック(Jpn1)の後に、ブリーダーズカップクラシック(G1)を控えていたこともあって、先を見越しての調整を行ってきました。ただ、これだけの馬なので、普通の調教をやっていても、馬が仕上がっていくような印象がありました」

 厩舎に戻ってからは熱発もあり、決して万全とはいかない状態で臨んだジャパンダートクラシック(Jpn1)であったが、先行して押し切るという強いレースで勝利をあげる。状態を更に上げて臨んだブリーダーズカップクラシック(G1)は、枠の不利がある中を後方から追い込んで3着となる。

 「ブリーダーズカップクラシック(G1)は現地に見に行かせてもらいましたが、最終的に現地でも1番人気に支持してもらった時には誇りに思いました。気持ちとしては一ファンのような心境でしたが、あれだけのレースを見せてくれたのならば、やっぱり勝って欲しかったっていうのもありました。ただ、アメリカのダート界における、トップレベルの馬たちと本当に遜色なく、能力を発揮してくれたのは、もうすごく誇らしい思いがしました」

 ケンタッキーダービー(G1)から約一か月後となる11月29日、矢作芳人厩舎は公式Xで東京大賞典(G1)への出走を表明。国内との古馬とはこれが初めてのレースともなった。

 「陣営としてはブリーダーズカップクラシック(G1)をピークに仕上げてきたと思いますし、東京大賞典(G1)はその後の輸送や、検疫を挟んでのレースともなっただけに、どこまで状態を戻せているのかが鍵になると思いました」

 東京大賞典(G1)はテレビ観戦となったが、ピークだったブリーダーズカップクラシック(G1)と比較すると、画面越しの姿は多少緩んでいるようにも見受けられたという。

 「レースでも向こう正面から坂井瑠星騎手がムチを入れていたように、手ごたえもそこまで良くなかったと思います。それでも楽な手応えで直線へと入っていったので、その時に勝ちを確信しました」

 直線半ばで先頭に躍り出たフォーエバーヤングは、ラムジェットやウィルソンテソーロの追撃を難なく交わしてのゴール。今シーズンは6戦4勝。国内では同世代と古馬を相手にしながら2戦2勝と、改めて国内のダート最強馬であることを証明した。

 「改めて凄い馬だと思います。昨年の夏だけでなく、一昨年の冬にも牧場で調整をさせてもらったのですが、その度に逞しさが増していて、ダートのチャンピオンホースらしくなってきたとの印象を受けていました」

 2025年は心身ともに更に充実のシーズンを迎えそうだが、その初戦は2月22日のサウジC(G1)が予定されている。

 「サウジC(G1)も好メンバーが揃っていますが、そこでいい結果が出せるようならば、今年の活躍が更に楽しみになってきます」と話す桑田裕規厩舎長。日本のダート最強馬から、世界のダート最強馬へ。2025年のフォーエバーヤングの走りから目が離せない。