重賞ウィナーレポート

2024年12月21日 阪神C G2

2024年12月21日 京都競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ナムラクレア

プロフィール

生年月日
2019年03月30日 05歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
592,906,000円
ミッキーアイル
母 (母父)
サンクイーンⅡ(USA)  by  Storm Cat(USA)
馬主
奈村 睦弘
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
長谷川 浩大
騎手
C.ルメール

 短距離馬にとっての総決算レース「第19回阪神カップ(G2)」が12月21日、京都競馬場で行われ、C.ルメール騎手騎乗の1番人気ナムラクレアが大外一気の強襲を決めて先頭ゴールイン。4年連続5つ目の重賞タイトルを手中にした。通算成績は20戦6勝2着5回3着5回。管理する長谷川浩大調教師にとっては2023年のキーンランドカップ(G3)(優勝馬ナムラクレア)以来のJRA重賞勝利で通算5勝目。手綱を取ったC.ルメール騎手にとっては10月のアルテミスS(G3)(優勝馬ブラウンラチェット)以来のJRA重賞勝利でJRA通算159勝目となった。

 ナムラクレアの生まれ故郷は浦河町の谷川牧場。明治45年(1912年)創業という歴史ある牧場で、生産から育成、調教を行う総合牧場だ。現在は年間4~50頭を生産し、その歴史の中で日本ダービー馬タケホープや、オークス馬タケフブキ・チョウカイキャロル、菊花賞馬ミナガワマンナなどのクラシックホースを送っており、JRA重賞勝利は、阪神カップ(G2)の30分前に行われた中山大障害(JG1)(優勝馬ニシノデイジー)に続く重賞勝利で、平地重賞に限れば4月のアーリントンカップ(G3)(優勝馬ディスペランツァ)に続く勝利となった。

 阪神競馬場で愛馬に声援を送っていたのは同牧場の谷川寿郎専務。「前走のスプリンターズS(G1)も3着に負けてしまいましたが。馬の調子そのものは大変よく見えましたが、今回の馬体重は、そこから8kg増とはいえ引き締まり、さらにパンプアップされたような印象を受けました。これまでも、ずっと良い競馬をしてきてくれた馬。今回は実績のある距離(過去3戦して2着3回)ですから、この状態なら、今回も良い競馬をしてくれるだろうと、そう思っていました」とレース前は考えていたそうだ。

 レースでは、いつものように後方待機。ペースはそれほど早くはなかったが、しっかりと脚を溜めると最後は外から力強く脚を伸ばしてマッドクール以下に半馬身の差をつけて先頭ゴールインを果たしている。

 「人気にしていただいていましたし、無事に勝つことが出来てほっとしました。厩舎の方々がこのレースに向けて一生懸命に仕上げてくださったので、その気持ちに応えることが出来たことが嬉しい」と生産者目線で喜びをかみしめた。

 「まだデビューする前、育成時代の話なのですが、長谷川浩大先生に牧場まで足を運んでいただき騎乗いただいたことがあります。こちらとしては仕上がりも良く、調子も良さそうなので手応えを確認いただこうと思ったのですが、コースに出て数10m走ったところで止まってしまったのです。跛行でした。あの時は遠くまで足を運んでいただいたのに申し訳なく思いましたが、そのあとすぐに移動して2歳夏の小倉競馬でデビューさせていただきました。わずかな時間で、この馬の素質を見抜いてくださったのだと思います。今となっては笑い話かもしれませんが、思い出すだけで冷や汗が出ます」と頭をかき「このあとは無事であれば、過去2年連続で2着の高松宮記念(G1)に直行と聞いています。悔いのないような競馬を期待したいですし、競走生活を終えたあとは無事に牧場に戻って来て欲しいと願っています」と祈っている。