重賞ウィナーレポート

2024年11月30日 チャレンジC G3

2024年11月30日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラヴェル

プロフィール

生年月日
2020年02月14日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:13戦3勝
総収得賞金
165,947,000円
キタサンブラック
母 (母父)
サンブルエミューズ  by  ダイワメジャー
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
矢作 芳人
騎手
川田 将雅

 前走のエリザベス女王杯(G1)では12番人気ながら2着に好走し、このチャレンジC(G3)では2歳のアルテミスS(G3)以来、約2年ぶりの勝利をあげたラヴェル。その復活には夏の調整を行った、ノーザンファーム早来スタッフの献身的な努力もあった。

 「当初、マーメイドS(G3)の後はクイーンS(G3)を使う予定となっており、牧場で調整を行ってきました。ただ、目のトラブルの回復にある程度の時間を割くことにもなったので、じっくりと乗り込んでいくプランに変わりました」とはノーザンファーム早来の大谷渡厩舎長。来た当初のラヴェルは、レースの疲れに加えて、ストレスもたまっていたのかカリカリとした印象も見受けられた。

 「キャンターの歩様もスムーズさを欠くなど、良かった頃のフォームを崩しているなと思いました。幸いなことに時間はあったので、リフレッシュがてら、ゆったりとした時計の調教で身体をほぐしていきました」(大谷渡厩舎長)

 ラヴェルは昨年の夏もノーザンファーム早来で調整を行ってきた。その時は調教だけでなく、馬体の成長も考慮する形で放牧も取り入れていたが、今年は競走馬として更に鍛えていく管理に方針を変えた。

 「しっかりと飼い葉を食べてくれる馬ということもありますが、それに見合った調教を行っていきました。それは馬体だけでなく、調教の動きからも見て取れていたので、この状態ならば向こうに戻ってからもいいレースをしてくれるという手応えも感じていました」

 9月末にノーザンファーム早来を離れたラヴェルは、そのまま管理を行う矢作厩舎へと入厩。復帰初戦となるオクトーバーSこそ6着に敗れるも、昨年の秋華賞(G1)以来のG1参戦となるエリザベス女王杯(G1)では、最後の直線で勝ったスタニングローズに迫るような末脚を使い、2着に入着を果たす。

 「ラヴェルにとって、自分の走りたいリズムで競馬ができたのならば、復活はできると信じていました。それがエリザベス女王杯(G1)の走りであり、それを引き出してくれたのが鞍上の川田騎手だったと思います」

 エリザベス女王杯(G1)ではまだ期待感だったものが、このチャレンジC(G3)では確信へと変わっていく。復活を期待するファンもまた、このレースでは3番人気に評価を高める中、馬群の中団からレースを進めたラヴェルは、最後の直線で先に抜け出したセイウンハーデスのコースを付いていく。

 前にヴィクトリーロードが開けたと見るや、セイウンハーデスを一気に交わしていくと、後続の追撃も軽々と振り切ってみせた。

 「高い能力を持った馬だと、改めて証明できたのが嬉しかったです。川田騎手も更に息の合った騎乗をしてくれました。いい状態でレースに臨ませてくれた、矢作先生やスタッフの皆さんにも感謝しかありません」

 現在、ラヴェルはノーザンファームしがらきで調整が行われている。2歳時は後の三冠牝馬となったリバティアイランドにも先着するなど、レベルの高い2020年世代の牝馬でも、トップクラスの能力を証明していた。それだけに来年以降は再びG1戦線での活躍も望める。

 「ここで賞金を獲得したことで、今後のローテーションも楽になってくると思います。育成時からG1制覇を期待していた馬だけに、来年はそれを叶えてもらいたいです」