重賞ウィナーレポート

2024年11月24日 京阪杯 G3

2024年11月24日 京都競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ビッグシーザー

プロフィール

生年月日
2020年03月10日 04歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:18戦7勝
総収得賞金
199,760,000円
ビッグアーサー
母 (母父)
アンナペレンナ(USA)  by  Tale of Ekati(USA)
馬主
幅田 昌伸
生産者
バンブー牧場 (荻伏)
調教師
西園 正都
騎手
北村 友一

 年内最後のスプリント重賞「第69回京阪杯(G3)」が11月24日、京都競馬場芝1,200mコースで行われ、北村友一騎手騎乗の1番人気ビッグシーザーが逃げ粘ろうとするウインカーネリアンをクビ差抑えて先頭ゴールイン。8度目の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。騎乗した北村友一騎手にとっては、前週の東京スポーツ杯2歳S(G2)(クロワデュノール)に続く重賞勝利で、JRA重賞通算32勝目。管理した西園正都調教師にとっては22年京都記念(G2)(優勝馬アフリカンゴールド)以来の重賞勝利で通算31勝目となった。

 ビッグシーザーの生まれ故郷は北海道浦河町のバンブー牧場。1965年創業の生産牧場でダービー馬バンブーアトラスや、菊花賞馬バンブービギン、秋華賞優勝ティコティコタックなどのほか、ビッグシーザーの父ビッグアーサーも同牧場が送り出したG1ウィナーだ。現在、年間の生産頭数は約15頭。昨年のエルムS(G3)(優勝馬セキフウ)に続くJRA重賞勝利となった。

 「これまで3つのリステッドレース含め、オープン特別5勝。ようやく重賞タイトルに手が届きました」と喜びを表現してくれたのは竹田辰紀代表。当日は、京都競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会うことが出来たという。「実際にビッグシーザーを見たのは札幌開催時のキーンランドC(G3)以来です。パドックではそれほど気合を表に出すタイプではないのですが、キビキビと歩く姿はとても元気よく体調は良さそうに見えました」とのこと。ただし、枠順に一抹の不安を抱えていたそうだ。

 「このコースは基本的に内枠が有利だとは思っていましたが、今年は連続開催で芝が傷んでいることに加えて、前走は外枠で勝利したこと、昨年は内枠で負けていることなど色々なことが頭の中を駆け巡りました。最後の直線で馬体が合わせたときは勝利を確信しましたが、でも生産者ってそんなものですよ」と数々のビッグタイトルを獲得してきたトップブリーダーがほっとしたように白い歯を見せた。

 米国産の母アンナペレンナは競走馬として輸入され、3勝を記録したのちバンブー牧場で繁殖牝馬となった。ビッグシーザーは、その初仔だ。「生まれた時から、初仔とは思えないほどの馬格に恵まれていましたので、母親のようなダート馬に成長するのかなとも思ったのですが、性格が素直で動きが柔らかかったです。成長するに従い父親ゆずりのスピードをイメージできるようになりました」という生産者の期待どおりに2歳から3歳春にかけて4連勝も記録。以来、トップスプリンターとして第1線級で活躍し続けたが、手が届きそうで、それでいて届かなかったのが重賞タイトルだった。

 「オパールSを勝ったあと、いよいよ今度こそだね、とオーナーと話をさせてもらっていたので、今回の勝利で、ようやく肩の荷を下ろした気分です。素晴らしい繁殖牝馬を預けていただいたオーナーに少しだけ恩返しができました」と笑顔を広げた。次の目標は、かつてダービー馬バンブーアトラスの仔バンブービギンで菊花賞(G1)を制したように、父ビッグアーサーも制した高松宮記念(G1)。

 「そのためには、まず無事に。そして、出走できたなら、悔いの残らないようなレースを期待したいです」と話してくれた。