重賞ウィナーレポート

2024年11月17日 マイルChS G1

2024年11月17日 京都競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ソウルラッシュ

プロフィール

生年月日
2018年03月28日 06歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:21戦8勝
総収得賞金
605,860,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
エターナルブーケ  by  マンハッタンカフェ
馬主
石川 達絵
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
池江 泰寿
騎手
団野 大成

 下半期のベストマイラー決定戦「第41回マイルChS(G1)」が11月17日、京都競馬場で行われ、レース序盤は後方インで脚を溜めていた団野大成騎手騎乗の4番人気ソウルラッシュが、坂の下りを利して押し上げ、最後は馬場の中央を突き抜けた。デビュー6年目の団野大成騎手の重賞勝利は今年のファンタジーS(G3)に続くもので通算10勝目。JRAのG1勝利は、昨年の高松宮記念(G1)(優勝馬ファストフォース)以来で通算2勝目。管理する池江泰寿調教師のJRA重賞勝利は、今年のマイラーズカップ(G2)に続くもので通算96勝目。同調教師にとっては、23回目のG1タイトルとなった。

 ソウルラッシュの生まれ故郷は日高町の下河辺牧場。JRA重賞勝利は今月9日の武蔵野S(G3)に続くもので、JRAのG1勝利は2022年朝日杯フューチュリティS(G1)(優勝馬ドルチェモア)以来2年ぶり。牧場創設から91年目という老舗牧場にとって区切りとなる10勝目のG1タイトルとなった。

 「レースは苦楽をともにしたスタッフと一緒に牧場で見ていました」というのは、同牧場の育成部門を統括する下河辺隆行氏。この日は父親である下河辺俊行氏と実兄の行雄氏は京都競馬場に、隆行氏が牧場から愛馬を見守っていたそうだ。

 ソウルラッシュにとっては7度目のG1レース挑戦。隆行氏はレースの前には「今年になってからどんどん馬体が充実し、レース運びも円熟味を増していたことから、今度こそ勝って欲しい」とスタッフと話していたそうで「テレビの画面越しではありましたが、パドックで歩く姿も馬がゆったりして貫禄も感じました。調子はまちがいなく良い」と確信。「生産者、育成者としてのひいき目かもしれませんが「人気(4番人気)以上には頑張ってくれると思っていました」という期待とともにレース時間を待っていたという。

 今回が3度目の騎乗となる団野大成騎手に対しても「スタートから道中の位置取り、そしてラストスパートまで非常に巧く乗ってくれたと思います。直線で抜け出したときには勝利を確信しました」と冷静に観ていたそうだが「人馬とも記憶に残る素晴らしいレースを演じてくれました」とほっとしたように話してくれた。

 牧場時代のソウルラッシュは「幼少時から目立った馬ではなく、与えられた調教メニューを黙々とこなすタイプの馬でしたから、実はあまり印象に残っていないのです」と苦笑い。「しかし6歳になってこうも強くなるとは驚きです。牧場で育成を任される身としては、これまでG1競走で惜しいレースが続いていたので、こうして大きなタイトルを獲ってくれたのは、これ以上ない喜びです」と声を弾ませた。

 母エターナルブーケも石川達絵オーナーの所有馬。今年は同オーナーの菊花賞馬キセキを父にもつ牡馬を生んでいる。「ここまで順調に育っています。キセキも多くのファンから愛された馬でした。この当歳にも父や兄と同じように、競馬ファンから期待され愛される馬になってほしいですね・・・」と成長を見守っている。