2024年11月10日 福島記念 G3
優勝馬:アラタ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年03月16日 07歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:26戦7勝
- 総収得賞金
- 207,293,000円
- 馬主
- 村田 能光
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 和田 勇介
- 騎手
- 大野 拓弥
重賞に挑戦すること15回。この福島記念(G3)も3度目の挑戦となったアラタが、悲願の重賞制覇を成し遂げた。
アラタは現在7歳。父はキングカメハメハで、母サンシャインのきょうだいには桜花賞馬のジュエラーや、芝の重賞で4勝をあげたワンカラットの名前もある。近年、多くの重賞ウィナーが誕生している、2019年の千葉サラブレッドセールに上場されると、6,696万円(税込)で取引された。
「近親にも重賞馬の名前が並んでいるだけでなく、母も現役時はエルフィンSを含め3勝をあげています。そこにリーディングサイアーとなった父という、曇りの無い血統構成という触れ込みで、千葉サラブレッドセールに上場させてもらいました」と話すのは社台ファーム事務局の吉田浩敏氏。その千葉サラブレッドセールの公開調教では、2ハロン24秒3、1ハロン11秒4の時計を記録。せりの時点で470kgを超える好馬体も高い評価に繋がっていった。
競走馬としてアラタが頭角を現したのが、4歳春からの快進撃だった。中山競馬場の4歳1勝クラスを勝利すると、そこからオープンのケフェウスSまで破竹の4連勝。その年の福島記念(G3)では1番人気の評価を与えられると、3着に入着する。
次の年の福島記念(G3)でも1番人気を背負ったが、その時も前年と同じく3着。6歳時には巴賞を勝利しているが、中山金杯(G3)で4着、金鯱賞(G2)でも3着と、重賞の壁をなかなか越えられずにいた。
7歳を迎えても勝ちきれないレースが続いていたが、吉田浩敏氏は福島記念(G3)を前に、管理をする和田勇介調教師から、状態が上向きであることを告げられる。
「7歳を迎えて充実期を迎えたようで、仕上がりも絶好と聞いていましたが、それを証明するかのような、豪快な差し脚には痺れました」(吉田浩敏氏)
このレース、トップハンデとなる57.5kgを背負ったアラタは、後方でじっくりと脚を溜めていく。走り慣れたコースとばかりに、3コーナーから4コーナーにかけて上昇していくと、最後の直線では馬群の外に進路を向けていき、まさに豪快に他馬をごぼう抜きにしていった。
「村田能光オーナーには、常日頃から牧場スタッフ一同がお世話になっています。それだけに、牧場全体が明るくなるような感動的な勝利となりました」
来年、8歳を迎えるとは思えない程の充実ぶりにも驚くばかりだが、この年齢までコンスタントに競馬を使えているからこその結果と言える。来年も芝の重賞戦線を沸かせてくれるだけでなく、再び、村田能光オーナーや牧場全体が笑顔で包まれるような走りを見せてくれそうだ。