重賞ウィナーレポート

2024年11月02日 ファンタジーS G3

2024年11月02日 京都競馬場 雨 不良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダンツエラン

プロフィール

生年月日
2022年04月06日 02歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
39,472,000円
ロードカナロア
母 (母父)
ミスチヴァスミスティ(USA)  by  Into Mischief(USA)
馬主
山元 哲二
生産者
宮内牧場 (浦河)
調教師
本田 優
騎手
団野 大成

 2歳女王決定戦「阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)」の前哨戦「第29回KBS京都賞ファンタジーS(G3)」は11月2日、雨降る京都競馬場芝1,400mコースで行われ、好位を進んだ団野大成騎手騎乗の4番人気ダンツエランが最後の直線でしぶとく脚を伸ばして優勝。デビュー3戦目で重賞ウィナーの仲間入りをした。団野大成騎手の重賞勝利は4月のマイラーズC(G2)(優勝馬ソウルラッシュ)に続いて今年2勝目。本田優調教師にとっては、2019年毎日杯(G3)(同ランスオブプラーナ)以来、通算12勝目となった。

 勝ったダンツエランの生まれ故郷は浦河町の宮内牧場。1955年(昭和30年)創業の生産牧場で、これまで2021年のユニコーンS(G3)を勝ったスマッシャーや、2013年クイーン賞(Jpn3)を勝ったアクティビューティ、あるいは2003年シルクロードS(G3)優勝テイエムサンデーなどを送り出し、現在の生産頭数は30数頭。宮内慶社長の「せりで高く評価されるだけではなく、競馬場で結果を出せる馬。購買いただいた方に喜んでもらえるような馬をつくりたい」という目標に向かって「手をしっかりとかけながら。自然体で」馬を育てている。

 この日、宮内慶社長は牧場でスタッフとともに愛馬を見守っていたそうだ。「新馬戦を勝ったあと、育成いただいたヤマダステーブルの方から『大きいところを狙える馬かも』と言われていたので、レースを楽しみにはしていましたが、雨で第8競走が中止になるような、そんな悪天候でしたのでまずはちゃんとレースが行われるかどうか、それを心配していました」と複雑な表情を見せ「初めて前に馬を置くようなレースになりましたが、しっかりと対応してくれたのが嬉しいです。しっかりとした体で生まれ、おっとりした性格で当歳の頃は扱い易かった馬。団野騎手の意のままに動いてくれるのをみて、そんなことを思い出しました」と笑顔を広げた。

 「ゴールした瞬間はしびれましたが、2着馬も3着馬も日高産馬。幸いにも、今回は勝たせていただきましたが、普段から懇意にしている方々の生産馬で、そんな馬たちと一緒に大きな舞台で走ってくれたことが嬉しい」と声を弾ませた。

 米国産の母ミスチヴァスミスティは2020年キーンランド社繁殖セールで、(株)ジェイエスの代理購買で購入した。「この年は新型コロナウイルスがまん延していたような年で渡米することが出来ず、現地のエージェントから写真や動画を送ってもらい、(株)ジェイエスの会社からせりに参加させてもらいました。たしか、落札したのは朝方だったと思います」というのも、今では懐かしい思い出だ。

 そして、北海道市場セレクションセールに上場し、牝馬としては高額第2位の評価を受けている。「下見の段階から、たくさんの方に見ていただき手応えを感じていましたが、本当に嬉しかったですし、購買いただいた方の期待に応えることができて良かったです。これからは、もっと強い馬との戦いになると思いますが、まずは無事に。舞台となる京都競馬場も2度経験していますので、強い馬たちに堂々と立ち向かっていけるような、そんな馬に育って欲しい」とエールを送ってくれた。