2024年11月04日 JBCLクラシック(中央交流) Jpn1
優勝馬:アンモシエラ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月03日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:12戦4勝
- 総収得賞金
- 150,181,000円
- 母 (母父)
- サンドクイーン by ゴールドアリュール
- 馬主
- 広尾レース (株)
- 生産者
- 桑田牧場 (荻伏)
- 調教師
- 松永 幹夫
- 騎手
- 横山 武史
『グランダム・ジャパン2024』秋シーズンの最終戦は、今年から対象レースに組み込まれた「JBCレディスクラシック(Jpn1)」。JRAから5頭、大井から2頭、高知から1頭、佐賀から3頭の精鋭牝馬が顔を揃え、佐賀競馬場1,860mコースを舞台に覇が競われた。そして結果は、唯一の3歳馬アンモシエラ(JRA)が4馬身差の圧勝。大外11番枠スタートから好スタートを切ってハナを奪うと、そのまま後続に影をも踏ませぬ逃げ切り勝ちを決めてみせた。
アンモシエラの生まれ故郷は、浦河町姉茶の桑田牧場。過去に1990年の鳴尾記念(G2)を制したカチウマホークや、2007年のフラワーカップ(Jpn3)に優勝して桜花賞(Jpn1)にも駒を進めたショウナンタレント、2008年の共同通信杯(Jpn3)に勝って皐月賞(Jpn1)や日本ダービー(Jpn1)に出走したショウナンアルバなどの活躍馬を送り出してきた牧場だが、昨年あたりから再び大きな注目を浴び始める。生産馬のエルトンバローズが3歳夏にラジオNIKKEI賞(G3)を制すると、秋には古馬相手に毎日王冠(G2)も制覇。年が明けるとアンモシエラが牡馬相手にブルーバードカップ(Jpn3)を制し、今年から整備された3歳ダート三冠路線でも羽田盃(Jpn1)2着、東京ダービー(Jpn1)3着と大健闘。そして11月4日にJBCレディスクラシック(Jpn1)でビッグタイトルをつかみ獲ると、その2週後にエルトンバローズがマイルChS(G1)で2着。さらにその4日後、兵庫ジュニアグランプリ(Jpn2)でハッピーマンが鮮やかな差し切り勝ちを決め、各世代の桑田牧場生産馬が中央・地方の重賞戦線で躍進している。
「佐賀競馬場までアンモシエラの応援に行ったのですが、前走のマリーンカップ(Jpn3)で4着に負けていましたし、さらに強い相手が揃った今回はさすがに厳しいかなと思っていたんです。だけどレースではいつもより気持ちよさそうに走っていて、そのまま逃げ切ってくれないかなと願っていたら直線でさらに突き放しましたもんね。まさか勝てるとは思っていなかったので、本当に嬉しかったです」とレースを振り返るのは、桑田牧場の代表・桑田美智代さん。
「アンモシエラが生まれた日、もう1頭のお産が重なっていて、そちらにかかり切りになっていたんです。隣で気配がしたので見に行ったらすでに生まれていて、ひとりで立ち上がっていました。アンモシエラは生まれた時から大きな馬でしたが、誰の手も煩わせない素直な性格で、当歳10月に中期育成牧場へ移動するまで順調に育ちました」と牧場で過ごした時代を思い出す。
アンモシエラの祖母フィエラメンテ(父タニノギムレット)は2001年のエリザベス女王杯(G1)を制するなど大活躍したトゥザヴィクトリーの半妹で、その一族からは重賞馬が綺羅星のごとく誕生。母サンドクイーン(父ゴールドアリュール)はセレクトセールの取引馬で、KTレーシングの所有馬として競走生活を送ったのち、オーナーとの縁があった桑田牧場が譲り受けて繁殖入り。その2年目に種牡馬入り初年度のブリックスアンドモルタルを交配し、翌年生まれた牝馬がアンモシエラだった。「サンドクイーンはこれだけの名血ですから、導入当初から期待の繁殖牝馬でした。ブリックスアンドモルタルは種牡馬展示会で実馬を見て動きの柔らかさが気に入り、サンドクイーンの交配相手に選びました」と、その配合についても説明してくれた。
「これまで強い相手と戦いながら、少しずつ力をつけてきた印象です。まだ3歳で伸びしろもあるでしょうし、タフで頭の良い馬なので、今後も大きな舞台で頑張ってくれると思います。そして将来は牧場に戻り、その優秀な血を後世へつないでいってほしいと願っています」とアンモシエラにエールを送る桑田さん。来年以降も1歳上のエルトンバローズ、1歳下のハッピーマンとともに、芝とダートで桑田牧場生産馬が重賞戦線を大いに盛り上げてくれそうだ。