重賞ウィナーレポート

2024年10月26日 スワンS G2

2024年10月26日 京都競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダノンマッキンリー

プロフィール

生年月日
2021年04月07日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
121,902,000円
モーリス
母 (母父)
ホームカミングクイーン(IRE)  by  Holy Roman Emperor(IRE)
馬主
(株) ダノックス
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
藤原 英昭
騎手
松山 弘平
  • 京都2歳S(G3)の優勝馬となった、シンエンペラーの育成も手掛けてきた
    京都2歳S(G3)の優勝馬となった、シンエンペラーの育成も手掛けてきた
  • 厩舎では1歳馬の育成も続けられる
    厩舎では1歳馬の育成も続けられる

 ファルコンS(G3)以来の勝利を、スワンS(G2)制覇で飾ってみせたダノンマッキンリー。そのスワンS(G2)を含めて、これまでの全4勝は全て芝1,400mのレースとなった。

 「芝の1,200mや1,600mでもレースをしてきていますが、やはり適した条件は1,400mなのでしょうね」と話すのはノーザンファーム早来の林宏樹調教主任。その芝1,200mを初めて使ったのは、この夏のJRA北海道シリーズとなったが、その際は林宏樹調教主任が統括を行っている、小笠原厩舎での調整も行われてきた。

 「こちらにはNHKマイルC(G1)の後から管理をさせてもらいましたが、藤原英昭先生からは『レース選択の幅を広げるためにも、芝のスプリントを使ってみたい』と言われていました。戻ってきた当初は疲れもあったのか、背中のあたりが寂しくも見えましたが、回復させてからは坂路でも行きっぷりの良さが目立つようになりました」(林宏樹調教主任)

 芝のスプリントを意識した仕上げを想定しながらも、折り合いもつけさせるべく、林宏樹調教主任は小笠原博厩舎長とも相談の上、周回コースで鞍上とのコンタクトも図っていく。

 「競馬場に入厩してから、話を聞きに行く機会がありましたが、状態はいいと聞いていました。ただ、UHB賞やキーンランドC(G3)の結果を見ると、普段からスプリントを走り慣れている馬たちと戦っていくには、慣れも必要なのかもしれないと思いました」

 ただ、芝1,400mはダノンマッキンリーにとって独壇場でもある。スワンS(G2)では5番人気の評価にとどまったものの、中団後方からレースを進めていくと、直線では初騎乗となる松山弘平騎手の手綱に導かれる形で、馬群の外へと進路を向けていく。

 残り1ハロン手前でゴーサインが出ると、一気に末脚を伸ばしていく。内では先行勢が粘り込みを図る一方で、直線勝負にかけていたオフトレイル、トゥラヴェスーラも追い込んでくるも、クビ差だけ前に出ていたのはダノンマッキンリーだった。

 「キーンランドS(G3)の後はスワンS(G2)を目標に、再び牧場で調整を行ってきました。9月下旬に厩舎へと送り出したのですが、上手く調整できただけに、向こうでもいいレースができるとは思っていましたが、やはり芝1,400mがあっているのでしょうね。松山騎手も好騎乗を見せてくれました」

 この勝利でマイルChS(G1)の優先出走権を得たものの、次走はまだ未定となっている。

 「芝のスプリントを2回使ったのも、いい経験になったと思います。それに加えて心身ともに成長していることも、この勝利に繋がったのでしょう。セレクトセールでも高い評価をいただいていた馬だけに、更なる重賞タイトルだけでなく、G1での活躍も期待したくなります」

 「1,400mのスペシャリスト」となった感もあるダノンマッキンリー。今後、活躍の舞台が広がってくれば、スプリントからマイルまで、芝の短距離のG1レースを総なめにしてしまうのかもしれない。