2024年10月13日 秋華賞 G1
優勝馬:チェルヴィニア
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月03日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦4勝
- 総収得賞金
- 328,424,000円
- 母 (母父)
- チェッキーノ by キングカメハメハ
- 馬主
- (有) サンデーレーシング
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 木村 哲也
- 騎手
- C.ルメール
桜花賞馬ステレンボッシュと、オークス馬チェルヴィニアの対決となった、今年の秋華賞(G1)。他にもトライアル組が名を連ねる中で、1番人気を背負ったチェルヴィニアが、見事に2冠牝馬に輝いた。
「夏は北海道にもどってきていませんが、中間の管理を行ってくれていたノーザンファーム天栄のスタッフからは、非常に状態がいいと言っていました」とはデビューまでの管理を行ってきた、ノーザンファーム早来の山根健太郎厩舎長。オークス(G1)からの直行となったこの秋華賞(G1)であるが、ノーザンファーム天栄と、木村厩舎でしっかりと管理されてきた事実は、パドックを周回する馬体にも表れていた。
「レースはテレビで見ていましたが、パドックを周回する姿には春からの成長というか、いい夏を過ごせたという充実ぶりが伝わってきました。ここまでの仕上げをしてくださった木村先生や厩舎の皆さん、そして、ノーザンファーム天栄のスタッフには感謝しか無かったです」(山根健太郎厩舎長)
馬体重こそオークス(G1)よりプラス8kgの490kgとはなっていたが、パドックを周回する姿からは臨戦態勢が見て取れただけでなく、程よい気合も現れていた。
レースは外枠から果敢に先手を奪っていった、セキトバイーストの大逃げで幕を開けた。1,000m通過は57秒1というハイペース。この速い流れを馬群の中で折り合ったチェルヴィニアではあったが、その周りには取り囲むかのようにライバルたちがひしめき合っていた。
「レース中はチェルヴィニアの姿しか見ていませんでした。今回もしっかりとした走りをしていただけでなく、馬群に包まれた競馬でも、苦にしないような走りをしていました。これまでのレースでもそうですが、ストレスがかかる展開となってもしっかりと脚を溜められるだけでなく、操縦性にも苦労しないこの馬のタフさが、生かされたと思います」
最後の直線、馬群が一気にセキトバイーストを捕まえにいく中、前が開いた瞬間に即座に反応したチェルヴィニアが、その勢いのままに一気に先頭へと躍り出る。内からはステレンボッシュ、大外からはボンドガールが迫ってくるも、その追撃を振り切って、牝馬2冠を達成した。
「ルメール騎手のアクションに答えて、抜け出してきたと思った瞬間にゴールが来たような印象を受けました。あとでもう一度、冷静になってレースを見直した時に、とんでもない流れだったのだと驚きました。それでも勝ちきってくれたのは、彼女の生まれ持った素養が、どんな展開でもプラスに持っていけるような力を発揮していたのでしょう」
レース後、関係者からは次走がジャパンC(G1)になることが発表された。
「一線級の牡馬たちとは始めての対戦、そして、年上の馬たちとも初対決となるだけに、胸を借りるようなレースになると見ています。ただ、秋華賞(G1)のようなレースができたのなら、楽しみも広がってきますし、ホースマンとしてジャパンC(G1)は勝ちたいレースでもあるので、当日は楽しみしかありません」
ジャパンC(G1)はオークス(G1)と同じ東京芝2,400mの舞台であり、3歳牝馬もジェンティルドンナ、アーモンドアイと2頭が勝利をおさめている。チェルヴィニアが今年のジャパンC(G1)を制した時、その名牝と肩を並べる評価が与えられるのだろう。