2024年09月12日 園田プリンセスC(GDJ)
優勝馬:リオンダリーナ
プロフィール
- 生年月日
- 2022年03月02日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦4勝
- 総収得賞金
- 16,000,000円
- 母 (母父)
- エイシンデルフィー by エイシンアポロン(USA)
- 馬主
- 澤 風哉
- 生産者
- 高村牧場 (浦河)
- 調教師
- 小国 博行
- 騎手
- 下原 理
『グランダム・ジャパン2024』2歳シーズンの開幕戦「園田プリンセスカップ(園田)」を、北海道からの遠征馬リオンダリーナが1番人気に応えて快勝。好スタートからハナを奪ってペースを握ると、最後の直線では後続を引き離して終わってみれば5馬身差。デビューから不敗の4連勝、そして7月のリリーカップ(門別)につづく重賞2勝目を飾った。
リオンダリーナの生まれ故郷は、浦河町上絵笛にある高村牧場。過去の生産馬には2010年のチューリップ賞(G3)など重賞3勝を挙げて桜花賞(G1)でも4着したショウリュウムーンや、2015年のカペラS(G3)を制したキクノストームなどがいて、現在は3代目となる高村祐太郎さんと奥様のはるかさんが、5人のスタッフとともに20頭の繁殖牝馬とその仔たちを管理している。
「夫婦で園田まで応援に行っていたんです。牧場を1日留守にすることができないので日帰りでしたが、目の前で重賞を勝つところが見られて本当にうれしかったです」と満面の笑みで話す高村さんご夫婦。「初めての長距離輸送に初の1,400m、おまけにあの暑さですから心配しましたが、馬体重もマイナス10kgで収まりましたし、馬も元気そうでした。小国博行調教師と厩舎スタッフのおかげですね」と愛馬を重賞勝利に導いた関係者に感謝する。
「幼少期のリオンダリーナは小柄でしたが、馬体のバランスが良く、しっかりとした筋肉を持っていました。ただ1歳夏に腸炎を発症して体重が一気に40kgほど落ち、生死をさまよった過去があるんです。あの状態からよく回復してくれました」と牧場で過ごした時期のエピソードを明かす高村さん。なかなか買い手がつかずにいたところ、以前から付き合いのあった現オーナーにひと目で見初められたという。「オーナーは共有馬主を始めるにあたっての一期生を探すために馬を見に来られたんです。最初は『モーニンの仔はちょっと…』と仰っていたのですが、実馬を見てよほど気に入られたのでしょうね。その後、ウォーキングマシンを時速6.5kmに設定して30分運動しても全然バテないので、『この馬、バケモノかもしれません』と思わずオーナーに連絡したことがありました(笑)」と競走馬への道を歩み始めた経緯についても話してくれた。
リオンダリーナの母エイシンデルフィーは、その母エーシンピュリティを栄進牧場から預託されていた高村牧場で生まれた馬。その縁もあって、引退後に高村牧場の所有馬として繁殖入りすることになった。そして初年度から5年連続でモーニンを交配し、2番仔として生まれたのがリオンダリーナ。昨年は不受胎で今年の産駒はいないが、現在もお腹にモーニンの仔が宿っているという。「これだけつづけて同じ種牡馬を交配する生産者も珍しいかもしれませんね(笑)。でも、モーニンは仔出しが良くて好きなんです。現1歳の牡馬も、リオンダリーナと同じオーナーに購入していただきました」と全弟も紹介してくれた。
「リリーカップの時は共有で馬を持っている人たちも門別競馬場に集まり、走る前からお祭り騒ぎのような雰囲気でした。園田でもリオンダリーナのうちわを作って応援してくれるファンの方もいて、まるでアイドルのコンサートのようでした(笑)。もちろん勝ってくれるのもうれしいのですが、それ以上に多くの人から応援してもらえることに生産者としての喜びを感じます。これからも長く活躍して、いろんな人に夢を与える馬になってもらいたいです」とエールを送る高村さん。次は全国のどの競馬場へ、ご夫婦揃ってリオンダリーナの応援に行くことになるのだろうか。