重賞ウィナーレポート

2024年10月06日 毎日王冠 G2

2024年10月06日 東京競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シックスペンス

プロフィール

生年月日
2021年04月17日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦4勝
総収得賞金
140,867,000円
キズナ
母 (母父)
フィンレイズラッキーチャーム(USA)  by  Twirling Candy(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
C.ルメール

 デビューからの3連勝でスプリングS(G2)を優勝したシックスペンス。日本ダービー(G1)こそ直線で伸びきれずに9着に敗れるも、捲土重来とばかりに挑んだ毎日王冠(G2)で、初対戦となる古馬を下して重賞2勝目をあげた。

 「中間はノーザンファーム天栄で中間を過ごしています。調整が難しい馬でもあり、しかも、日本ダービー(G1)の疲れもあった中で、天栄のスタッフたちが慎重かつ、しっかりと仕上げてくれました」と話すのは、ノーザンファーム早来の山内大輔調教主任。9月5日に国枝厩舎に戻ってからも、じっくりと乗り込まれたシックスペンスは、日本ダービー(G1)よりプラス14kgの馬体重でパドックに姿を見せる。

 「先を見越しての仕上げがあったにしても、ひと夏を越しての成長が感じられました。レースもルメール騎手がいいポジションを取ってくれていましたし、直線に入ってからも安心してレースを見ていられました」(山内大輔調教主任)

 ホウオウビスケッツがハナを奪い、その後にはエルトンバローズが追走。その2頭をマークするかのように、シックスペンスは外目の4番手からレースを進めていく。前半の1,000m通過は59秒4という、比較的落ち着いた流れとなった中、最後の直線では先行勢を交わしにかかるかのように外へと進路を向けていく。

 ホウオウビスケッツは残り1ハロンを過ぎてからも逃げ粘りを図る中、一歩、また一歩とその差を詰めていったシックスペンスは、まるで図ったかのように差し切ってみせた。

 「休み明けの分、じりじりとした末脚になったのかもしれませんが、それでも、秋のG1戦線の前哨戦でしっかりと差し切ってくれたのは大きかったです。この走りを見ていても、芝の中距離ぐらいに適性があるのかもしれません」

 次走はマイルChS(G1)を予定。芝の1,600mは2歳時のメイクデビューと、ひいらぎ賞で勝利しており、むしろ、得意な条件とも言える。

 「レースセンスがあるので距離だけでなく、どんな展開になっても、能力を発揮してくれると思います。3歳の春からG1を勝てる馬との期待を持っていただけに、ここでタイトルを取ってもらいたいです」と山内大輔調教主任。父のキズナは種牡馬入りしてから数々の活躍馬を送り出しているが、産駒のソングラインが2022年と2023年の安田記念(G1)連覇を含めて、芝のマイル戦でG14勝。その他にも芝のマイルを得意とする産駒は多い。

 今年の安田記念(G1)は香港からの遠征馬である、ロマンチックウォリアーが優勝しているが、マイルChS(G1)への参戦はない。混迷を深めた感もある芝のマイル戦線だが、それを統治するのは3歳馬のシックスペンスなのかもしれない。