重賞ウィナーレポート

2024年09月29日 スプリンターズS G1

2024年09月29日 中山競馬場 曇 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ルガル

プロフィール

生年月日
2020年03月07日 04歳
性別/毛色
牡/青鹿毛
戦績
国内:13戦4勝
総収得賞金
294,860,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
アタブ(IRE)  by  New Approach(IRE)
馬主
江馬 由将
生産者
三嶋牧場 (浦河)
調教師
杉山 晴紀
騎手
西村 淳也
  • レース翌日、喜び合う三嶋牧場の皆さん
    レース翌日、喜び合う三嶋牧場の皆さん
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん
  • 表彰を受ける同牧場専務三嶋健一郎さん
    表彰を受ける同牧場専務三嶋健一郎さん
  • 浦河町役場で掲示された優勝垂れ幕
    浦河町役場で掲示された優勝垂れ幕
  • 調教施設BTCでも優勝を伝える
    調教施設BTCでも優勝を伝える

 中山競馬場で行われたスプリンターズS(G1)はルガルが優勝。厳しい流れをスムーズに追走し、直線で鮮やかに抜け出してG1初制覇を飾った。

 本馬の生産は浦河町の三嶋牧場。これまで数多くのG1馬を生産、育成している牧場で、主な生産馬には今年の天皇賞(春)(G1)の勝ち馬テーオーロイヤルやダートJpn1馬3勝メイショウハリオ、高松宮記念(G1)を制したファストフォース、安田記念(G1)の覇者で種牡馬としても産駒の評価が高いダノンキングリーなどがいる。

 今回、中山競馬場には同牧場専務の三嶋健一郎さんや牧場スタッフが行き、牧場ではスタッフが集まって声援を送っていた。レース翌日、牧場には浦河町の池田拓町長や近隣の生産者、HBA職員が集まり、馬産地恒例の万歳で勝利を祝った。本馬によく携わっていたという牧場スタッフが胸を躍らせていた。

 牧場時代、本馬が過ごした厩舎で接していたのが繁殖主任の芦田康一さん、長岡耕次さん、草薙聡さんで、待望の勝利をかみしめていた。芦田康一さんは、「怪我明けで不安はありましたが、調教の動きが抜群でしたし、馬券を買って応援していました。さわっていた馬がG1を勝って、浦河町に優勝垂れ幕が掲げられるのが感動です。ルガルは生まれて間もない頃から立派で、見栄えのする馬でした。大物感があり、堂々としていました。性格的にも賢く、順調に育ちました。4歳でスプリンターズS(G1)を勝つ馬になりましたが、牧場にいた頃はクラシックを意識させるイメージを持っていました。」と振り返る。今後については、「またルガルらしいレースを見せてほしいと思います。これからは迎え撃つ立場になりますね。無事に走ってきてほしいです。」と親心をにじませた。

 長岡耕次さんは、「強い勝ち方でした。直線に入って抜け出してきたので、最後の直線は後ろから追い込んでくる馬を気にしながら見ていました。一緒に見ていたスタッフ同士、声が出ましたね。ゴールしたあと拍手をして喜び合いました。ちょうど一昨年入ったスタッフが今回初めて競馬場に応援に行けて勝ったので、“持っているスタッフだね”と話していました。母馬のアタブは牧場に来た当初神経質な面がありましたが、今はそうした面はなく、大人しいぐらいです。サウンドビバーチェ、メイショウタバルも同じ厩舎にいたので、活躍馬が続いてくれて嬉しいです。」と振り返った。

 生産現場からのバトンを受けて、育成でまたがっていたのは藤井健太さんで、本馬の成長に関わった。藤井健太さんは、「スタートを決めてくれましたし、最後まで素晴らしい走りでした。G1タイトルを手にしてくれましたし、先々種牡馬になってくれたら嬉しいです。馴致や育成で実際に乗っていましたが、動きは良くてしっかりした馬でした。気性が素直で、心肺機能の高さを感じていました。」と当時から並々ならぬポテンシャルを感じていたという。

 現在、同牧場には本馬の母アタブが繁殖生活を送っており、1歳には父エピファネイアの牝馬、当歳には父コントレイルの牡馬が誕生している。今年、アタブはイクイノックスの子を受胎しているという。新進気鋭のスプリンター・ルガルの活躍で、ますます注目を浴びるファミリーとなりそうだ。