2024年09月22日 オールカマー G2
優勝馬:レーベンスティール
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月08日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:9戦5勝
- 総収得賞金
- 195,746,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- 広富牧場 (門別)
- 調教師
- 田中 博康
- 騎手
- C.ルメール
優勝馬には10月27日に行われる天皇賞(秋)(G1)への優先出走権が与えられる第70回産経賞オールカマー(G2)が9月22日、中山競馬場で行われ、好位を進んだC.ルメール騎手騎乗の1番人気レーベンスティールがゴール前で狭いところを割って抜け出し、前走エプソムカップ(G3)に続いて重賞2連勝。通算3つ目の重賞タイトルを獲得し、通算成績を10戦5勝2着2回3着1回とした。
C.ルメール騎手のJRA重賞制覇は今年のセントライト記念(G2)(優勝馬アーバンシック)に続き今年6勝目で通算153勝目。管路する田中博康調教師の重賞制覇は今年のレパードS(G3)(同ミッキーファイト)に続くもので今年3勝目、通算9勝目となった。
レーベンスティールが生まれたのは日高町の広富牧場。1973年(昭和48年)に、現在代表を務める高橋裕子さんの亡夫の修さんによって牧場の歴史がスタートし、現在は長女の三千代さんを中心に数名のスタッフで強い馬づくりを目指している。
レース当日、三千代さんは牧場から応援していたそうだ。「当日は長く牧場に馬を預けてくださっているオーナーに来場いただきまして、久しぶりの再会を楽しんでおりました」。もちろん、レースの結果が気にならないわけはないが、預託馬の現況などを説明しながら場内を案内していたそうだ。
「田中厩舎の方々やノーザンファーム天栄の方々がレーベンスティールをさらにレベルアップさせようと頑張ってくださっているのと同じように、私たちの仕事は、今牧場にいる馬たちを無事に次のステップへと送り出すこと。競馬場へは実兄と、レーベンスティールの祖母ファヴォリから知るベテランスタッフに行ってもらいました」ときっぱり。だから、休み明けでテンションが上がり気味になろうかというレーベンスティールがパドックでは隊列の最後方を2人引きで歩いていたことは、レース後に知ったそうだ。
発走時間が近づいても預託馬の案内を続けていた三千代さんだったが、オーナー夫婦に促されるようにテレビを付けたというが、そこに映し出されたのは厳しいマークにあって行き場を無くしたかのように見えたレーベンスティールだった。
「思わず目をつぶるのではなく、後ろを向いちゃいました」と三千代さん。しかし、その次の瞬間、「抜けてくるよ、ちゃんと見なきゃだめだ」とオーナーから声がかかり、先頭でゴールを駆け抜ける愛馬の姿を確認できたという。
「関係するすべての方々のおかげだと思います。(レーベンスティールは)決して簡単な馬ではないはずですが、みなさんが一生懸命に手をかけてくださるから今のレーベンスティールがいます」とポツリ。しかし、この勝利でエプソムカップ(G3)、オールカマー(G2)の連勝となり、次走はいよいよ歴戦の強豪たちへと挑戦状を叩きつける立場になった。
「レーベンスティールにとっては初めての国内G1レースですが、天皇賞(秋)(G1)で一緒に走る馬たちは何度もG1レースを戦って、勝ったり負けたりしている馬たちです。その差はあると思いますし、そういう馬たちと戦えることが今後のレーベンスティールのためになるはず」と挑戦者としての立場を強調するのは、三千代さん自身がアスリートとして経験を積んでいるからかもしれない。
レース当日は東京競馬場へ向かう予定だという。「この馬に大きなタイトルを獲らせてあげたいと頑張っている方々がたくさんいます。ここまでレーベンスティールを育ててくれた方々にお礼も言いたいですし、競馬ですからそういう方々の期待に応えて欲しいという願いはあります。でも、競走馬はケガとは背中合わせ。だから、まずは無事に。そして悔いが残らないようなレースをして欲しい」と願っている。