重賞ウィナーレポート

2024年09月15日 ローズS G2

2024年09月15日 中京競馬場 曇 稍重 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:クイーンズウォーク

プロフィール

生年月日
2021年03月14日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
122,926,000円
キズナ
母 (母父)
ウェイヴェルアベニュー(CAN)  by  Harlington(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
中内田 充正
騎手
川田 将雅
  • 秋華賞(G1)には育成馬のアドマイヤベルも出走する
    秋華賞(G1)には育成馬のアドマイヤベルも出走する
  • 牧場には秋晴れの好天が広がっていた
    牧場には秋晴れの好天が広がっていた

 3歳春のクイーンC(G3)で重賞初制覇をあげたクイーンズウォーク。その後の桜花賞(G1)では8着、オークス(G1)では4着とクラシック制覇とはならなかったが、ローズS(G2)では好位抜け出しのレースで快勝。春から成長した姿を証明した。

 「クラシックではこの馬自身頑張っていたのですが、上手く噛み合わないレースが続いていました。それでも力があることは証明してくれていたので、それがこのレースで実証されたことが嬉しかったです」と話すのは、クイーンズウォークの育成を手掛けた、ノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長。オークス(G1)の後はノーザンファームしがらきで調整が行われていたクイーンズウォークであるが、オークス(G1)の後に村上隆博厩舎長もノーザンファームしがらきに出向く機会があった。

 「まだレースの疲れを取っている段階でしたが、それでも牧場にいた頃からは馬体が立派になっていました。その一方で成長途上と言える面も感じられていたのですが、管理をしていた厩舎長も『ひと夏を超えてまだまだ良くなっていきそうです』と話していました」(村上隆博厩舎長)

 ローズS(G2)での馬体重は522kg。元々大型馬ながら、オークス(G1)との増減は無かったものの、テレビでパドックの映像を見た村上隆博厩舎長には、確かな成長の証が感じられた。

 「春先のパドックでは踏み込みの浅さが見て取れましたが、このローズS(G2)では馬体がほぐれてきてからはしっかりと歩けていました。それだけ中身もしっかりとしてきたのでしょう」

 セキトバイーストが大逃げを打ったレースは縦長で流れていく。中団でレースを追走したクイーンズウォークは、じわじわとその差を縮めていくと、最後の直線では馬場の真ん中に進路を取って、そこから一気に加速を始めていく。

 「元々フットワークの大きな馬なのですが、今回は走りやすいポジションで競馬をさせてもらいました。追い出してからの反応の良さも春とは違っていましたし、そこに力強さも感じられました」

 当日の馬場状態は稍重ではあったが、クイーンズウォークのスピードに陰りは見られなかった。ゴール板を過ぎてからも更に加速していくような末脚を使い見事に勝利。最後の一冠奪取に名乗りをあげるには、十分過ぎるほどの勝ちっぷりだった。

 「川田騎手だけでなく、中内田調教師が、ノーザンファームしがらきでも、様々なアプローチを図ってくれた成果が出たと思います。チャレンジャーとしての立場は変わりありませんが、それでも春の主役となった馬たちに迫れるのではないかとの期待も膨らんできました」

 デビュー戦は芝1,800m、クイーンC(G3)は芝1,600mのレースとなったが、今回は芝2,000mのレースを勝利。同じ条件で行われる秋華賞(G1)への適性も示す結果となった。

 「クイーンズウォークにとっては、このぐらいの距離が競馬のしやすい条件なのかもしれません。秋華賞(G1)には育成馬のアドマイヤベルも出走を予定していますが、この2頭でG1タイトルを狙っていきたいです」と力強く話してくれた村上隆博厩舎長。アドマイヤベルもフローラS(G2)で勝ち鞍のある芝2,000mは願っても無い条件と言えるだけに、村上隆博厩舎育成馬でのワンツーフィニッシュの可能性は十分にありそうだ。