重賞ウィナーレポート

2024年09月16日 セントライト記念 G2

2024年09月16日 中山競馬場 曇 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アーバンシック

プロフィール

生年月日
2021年03月16日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
119,228,000円
スワーヴリチャード
母 (母父)
エッジースタイル  by  ハービンジャー(GB)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
武井 亮
騎手
C.ルメール
  • 3つの牡馬厩舎が並ぶエリアに厩舎がある
    3つの牡馬厩舎が並ぶエリアに厩舎がある
  • 厩舎長としては初めて管理した、重賞勝ち馬となった
    厩舎長としては初めて管理した、重賞勝ち馬となった

 ノーザンファーム早来で、2021年から牡馬厩舎の管理を任された石井宇宙厩舎長。その時から約3年、育成馬のアーバンシックがセントライト記念(G2)を優勝して、石井厩舎第一号の重賞勝ち馬となった。

 「育成馬を任せていただいた最初の世代から、重賞馬を送り出したいと考えていただけに、その目標が叶えられたことを嬉しく思います」と話す石井宇宙厩舎長の表情には笑顔がはじける。

 デビューからの連勝で、京成杯(G3)は後の日本ダービー馬となるダノンデサイルの2着ともなっているアーバンシックであるが、育成時の評価は決して高くはなかった。

 「乗り出した頃からトモが緩くて、その後は順調に乗り込みこそ続けられたものの、トモに緩さはなかなか抜けきらずにいました。また馬っ気が強くて、騎乗している人間がちょっとでも隙を見せると、すぐに二本脚で立ち上がってしまうほどでした」(石井宇宙厩舎長)

 5月には管理を行う武井厩舎へと移動し、ゲート試験に合格。その後はノーザンファーム天栄での調整を挟んで、再び武井厩舎で調整された後、8月上旬には札幌競馬場へと移動する。

 1番人気で迎えた8月13日のメイクデビュー札幌では、気性の危うさこそのぞかせたものの、能力の違いで勝利をおさめる。

 「レースの前に話をする機会があった武井先生は、『気性面の難しさはあるものの、物凄い体力をしている』と話していました。新馬戦のレースもさることながら、百日草特別の勝ち方を見て、クラシックでもいいところがあるのではないかと期待が膨らんできました」

 メイクデビュー札幌の後、アーバンシックは石井厩舎でデビュー以来となる調整が行われている。

 「レースを使ったことで気持ちの更なる高ぶりもあったので、リラックスさせてほしいとの要望がありました。こちらでは3週間程管理をしていましたが、その間に幾度となく立ち上がろうとしていたものの、調教ではスムーズに走れていました」

 牡馬クラシックの初戦となる皐月賞(G1)では4着、日本ダービー(G1)では11着に敗れたものの、ノーザンファーム天栄で夏を過ごしていたアーバンシックは、心身ともに更なる成長を遂げていた。

 2番人気で迎えたセントライト記念(G2)では、中団のインコースからレースを進めていくと、最後の直線では馬群の外に進路を向けると一気に加速。ゴール前の急坂も苦にすることなく、先に抜け出したコスモキュランダを一気に交わし切っていった。

 「レースではアーバンシックしか見ていませんでした。3コーナーを回ってきた時に、前が壁になっているけど大丈夫かなとは思いましたが、直線で前が開いた時に行けるなと思いました」

 この後は菊花賞(G1)出走が予定されているが、そのレースには京成杯(G3)から3度目の対戦となる、ダノンデサイルも登録している。

 「その時から成長を遂げていますし、セントライト記念(G2)の走りを見ても、初めてとなる距離もこなしてくれると思っています。まだまだ良化の余地がある馬だとは思いますが、それでも菊花賞(G1)でどんなレースを見せてくれるかとても楽しみです」と石井宇宙厩舎長。父はこの世代が初年度産駒で、既にホープフルS(G1)の勝ち馬となったレガレイラを送り出したスワーヴリチャード。そして大舞台に強いウインドインハーヘア牝系の血統馬でもあるだけに、一気のG1制覇も十分に期待できそうだ。