重賞ウィナーレポート

2024年09月08日 京成杯オータムH G3

2024年09月08日 中山競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アスコリピチェーノ

プロフィール

生年月日
2021年02月24日 03歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:6戦4勝
総収得賞金
263,215,000円
ダイワメジャー
母 (母父)
アスコルティ  by  Danehill Dancer(IRE)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
黒岩 陽一
騎手
C.ルメール

 「自分に話を聞くのではなく、調整を行ってくれたノーザンファーム天栄のスタッフのおかげだと思うので、そちらに話を聞いてください」と笑顔を浮かべるのは、京成杯オータムH(G3)で重賞3勝目をあげた、アスコリピチェーノの騎乗育成を行ってきた、ノーザンファーム空港の東谷智司厩舎長。だが、東谷智司厩舎長や厩舎スタッフたちが競走馬としての基礎を作ったのが、今日の活躍に繋がっているのは間違いない。

 2着に敗れたNHKマイルC(G1)の後、東谷厩舎長はアスコリピチェーノの調整が行われていた、ノーザンファーム天栄へと研修に出かけていた。

 「向こうでは騎乗もさせてもらいましたが、牧場の頃からのいい印象は変わることなく、テンションも上がりすぎずにいい状態でした。管理をしてもらっていた荒川祐介厩舎長は、『レースを使ってきた疲れは残っているものの、それほどのダメージは無い』とも話していました」(東谷智司厩舎長)

 東谷智司厩舎長が北海道に戻ってきてからも、ノーザンファーム天栄に度々様子を見に行っていた、管理をする黒岩調教師から、順調に来ているとの話が入っていた。

 「黒岩先生からは京成杯オータムH(G3)の前にも話を聞かせてもらっていたのですが、『ここは負けられないレースになる』と話していたので、期待をしながらレースを見ていました」

 京成杯オータムH(G3)でオッズ単勝1.5倍という圧倒的な一番人気の支持を集めたアスコリピチェーノは、道中は中団からやや後ろの位置取りでレースを進めていく。第3コーナーから外目に進路を向けると、そこから直線一気の末脚を使い、残り100m手前で先頭に躍り出てからはまさに独壇場。余裕の手応えのままでゴール板を駆け抜けた。

 「アスコリピチェーノ自身が、やりたかったレースをしているようにも見えました。気持ちよくレースを見ていられたというのか、本当に強いレースでした」

 勝ち時計の1分30秒8はレースレコードとなっただけでなく、3歳牝馬の京成杯オータムH(G3)の優勝は、1985年のエルプス以来、39年ぶりの快挙ともなった。

 次なる快挙と言えば、この後のレースともなるのだろう。レース後に陣営は優勝賞金525豪ドルのレースでもある、オーストラリアのローズヒルガーデンズ競馬場で行われる、ゴールデンイーグルへの出走を表明。3歳牝馬として初めての優勝を目指していく。

 「今回と同様に、ノーザンファーム天栄のスタッフと黒岩先生がいい状態でレースに臨ませてくれると思います。もはや一ファンとしての言葉になってしまいますが、最高の結果を出してくれることを期待しています」とエールを送る東谷智司厩舎長。これまでの取材でも伝えてきたように、アスコリピチェーノの活躍は東谷智司厩舎長や牧場スタッフ、そしてノーザンファーム天栄のスタッフと黒岩調教師や厩舎スタッフのチームワークが成せる業とも言える。まさに三位一体の取り組みが結果となっていることを考えれば、ゴールデンイーグル制覇も現実となっていきそうだ。