重賞ウィナーレポート

2024年09月01日 小倉2歳S G3

2024年09月01日 中京競馬場 曇 重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エイシンワンド

プロフィール

生年月日
2022年03月05日 02歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
38,662,000円
ディスクリートキャット(USA)
母 (母父)
エイシンフェアリー  by  タイキシャトル(USA)
馬主
(株) 栄進堂
生産者
高野牧場 (浦河)
調教師
大久保 龍志
騎手
幸 英明

 夏競馬の名物2歳重賞「第44回小倉2歳S(G3)」が9月1日、今年は開催日程の変更により今年は中京競馬場の芝1,200m(重)で行われ、先行した浦河町の高野牧場生産で1番人気エイシンワンドが最後の直線で早めに先頭から最後は力でねじ伏せるようにして先頭ゴールイン。デビュー2戦目、重賞初挑戦の舞台で重賞制覇を成し遂げた。勝ちタイムは1分9秒0。

 幸英明騎手にとっては8月のCBC賞(G3)(優勝馬ドロップオブライト)に続くJRA重賞勝利で通算47勝目。管理した大久保龍志調教師にとっては昨年の平安S(G3)(同グロリアムンディ)以来のJRA重賞勝利で通算25勝目となった。

 高野牧場は昭和27年、現在代表を務める薫さんの祖父にあたる巻男さんが創業。あとを継いだ父の文寛さんが1997年に若くして逝去してからは、薫さんと妻の敬子さんの夫婦2人で切り盛りしてきた牧場だ。これまで、その歴史の中で1990年に中日スポーツ賞4歳S(G3)を勝ったロングアーチや、シンガポールゴールドカップ3勝エルドラドなど送り出してきた。現在、繁殖牝馬は6頭。代表の実直な性格そのままに、ていねいな馬づくりをしている。

 レース当日は、牧場から愛馬のレースを見守っていたそうだ。「同じ中京競馬場芝1,200mのデビュー戦が出遅れながらも強い内容でしたので、期待しながらテレビを見ていました。さすがに前走ほど楽ではなかったですが、このレースでもエイシンワンドらしさというか、強さを見せてくれたと思います。素晴らしい繁殖牝馬をお預かりさせてもらったオーナーには感謝の気持ちで一杯です」と薫代表自身としては、初めて経験する生産馬の重賞勝利を噛み締め、「レース直後から、本当に多くのお祝い、言葉などをいただきました。頑張ってくれた馬に対してはもちろんですが、周囲の方々のお気遣い、心遣いにも感謝しかありません」と白い歯を見せた。

 殊勲の母エイシンフェアリーは大樹町の生産馬だ。「以前は栄進牧場で繁殖生活を送っていた馬ですが、オーナーと縁あって2020年秋からお預かりしていました。ディスクリートキャットとの配合もオーナーによるものです」と話し「生まれたときからがっちりした馬で、扱いやすく、欠点のない馬。自分の中では高い評価を与えていた馬でした。当歳12月に他の牧場へと移動していきましたが、自信をもって送り出した馬です」と当時のことを話してくれた。

 「これから、どのようなレースを選択していくかはオーナーと厩舎関係者の方々が決めてくださると思いますが、私たちとすれば無事を祈り、そしてこれからもエイシンワンドらしいレースをして欲しいと願うばかりです。今は、目の前にいる馬たちを元気に次のステップへと送り出すことが1番ですが、エイシンワンドからは勇気をもらいました」と晴れやかな表情で話してくれた。