重賞ウィナーレポート

2024年08月11日 関屋記念 G3

2024年08月11日 新潟競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トゥードジボン

プロフィール

生年月日
2019年03月30日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:18戦6勝
総収得賞金
139,760,000円
イスラボニータ
母 (母父)
コッパ(USA)  by  Yesbyjimminy(USA)
馬主
青山 洋一
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
四位 洋文
騎手
松山 弘平

 6月1日に三重県の鈴鹿市に開場した「社台ファーム鈴鹿」。ゴルフ場の施設を取得して作られた施設の総敷地面積は18.7ヘクタール。その敷地の中には、直線1,100m、幅員7mの坂路コースと800m、幅員10mの周回コースを備えているだけでなく、馬のクールダウンやリラックス効果もある、逍遥馬道も作られている。

 現在は2厩舎で管理頭数は50馬房ながらも、今後は8厩舎200頭まで管理頭数を増やす予定がある。社台ファームにとっては、栗東トレーニングセンターで管理されている生産関係馬の拠点となる場所でもあり、この夏は2022年の全日本2歳優駿(Jpn1)や、2023年のUAEダービー(G2)を制したデルマソトガケの管理も行われてきた。

 そして、今年の関屋記念(G3)を制したトゥードジボンも、この夏は社台ファーム鈴鹿で調整を行い、そして調教馬としては初めての重賞勝ち馬となった。

 「30℃を超える気温の中を良く頑張りました。暑さもあって、調整も大変だったかと思いますが、四位厩舎の仕上げ、松山騎手のエスコートともに完璧でした」と社台ファームの東礼治郎場長も笑顔を浮かべる。父のイスラボニータは(有)社台レースホースの勝負服でレースをしており、育成も社台ファームで行ってきていた。

 「馴染みのある父の初年度産駒ということで、我々もかなり気合を込めて送り出した世代でした。これまでのレースを見ていても大崩れは少ないながらも、その一方で勝ちきれない時期もありました。それが心身の成長を重ねながら、ようやく噛み合ってきた印象があります」(東礼治郎場長)

 デビュー3戦目に初勝利をあげてからは、骨折による休養を挟みながらも確実にクラスを上げていく。昨年の京都金杯(G3)では1番人気の支持を受けて3着に入着するも、重賞の壁をなかなか乗り越えることができなかった一方で、前走の米子Sでオープン初勝利をあげていた。

 その米子Sと同じように、好スタートからハナを奪っていったトゥードジボンは、その後も速いラップを刻みながら最後の直線へと入っていく。上がり3ハロンも33秒3でまとめ切り、2着のディオに1馬身半差をつける快勝。この勝利で2024年のサマーマイルシリーズチャンピオンの座についた。

 「ここまで我慢強く素質開花を待ってくださった青山洋一オーナーが喜んでくださっていたことが、本当に嬉しかったです。社台ファーム鈴鹿のスタッフ一同で、大いに盛り上がる勝利ともなりました」と話す東礼治郎場長。目標としていたマイルChS(G1)を前に脚部不安を発症し、残念ながら休養を余儀なくされたが、復帰の際には社台ファーム鈴鹿での調整を経て、G1制覇へと上り詰めてくれるに違いない。