2024年07月12日 兵庫サマークイーン賞(GDJ)
優勝馬:ハクサンアマゾネス
プロフィール
- 生年月日
- 2017年03月06日 07歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:40戦29勝
- 総収得賞金
- 146,838,000円
- 父
- シルポート
- 母 (母父)
- オークヒルズ by ブライアンズタイム(USA)
- 馬主
- 河崎 五市
- 生産者
- 三木田牧場 (静内)
- 調教師
- 加藤 和義
- 騎手
- 吉原 寛人
『グランダム・ジャパン2024』古馬秋シーズンの第2戦「兵庫サマークイーン賞(園田)」は、金沢からの遠征馬ハクサンアマゾネスが快勝。逃げ粘るアンティキティラ(高知)を直線で振り切り、圧倒的1番人気に応えて自身の持つ国内平地重賞最多勝記録を「24」に伸ばした。
ハクサンアマゾネスの生まれ故郷は、新ひだか町静内豊畑に牧場を構える三木田牧場。現在は3代目となる三木田尚大さんが代表を務め、父の頼嗣さんと2人で8頭の繁殖牝馬を管理。過去の生産馬には、まだダート時代の札幌記念(1980年)を制したマークリシルバーや、1989年の小倉記念(G3)優勝馬ダンツミラクル、1991年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)に勝ったナイスパーワー、2001 年の阪神ジャンプS(JG3)と京都ハイジャンプ(JG2)を連勝したアイディンサマーなどがいて、このグランダム・ジャパンシリーズでは2015年のル・プランタン賞(佐賀)を制したユズチャンを送り出している。
「地元の重賞では格の違いを見せつづけていますが、遠征すると環境や対戦相手も変わるので、今回は特にドキドキしながらレースを見ました。最後の直線に入ってもアンティキティラが粘っていたので、かわせるかな…と心配しましたが、並んでからは強かったですね。圧倒的な1番人気に推されていたので、勝ってくれてホッとしました。このレースは連覇ですし、園田は相性が良いみたいです」とレースを振り返る生産者の三木田さん。ハクサンアマゾネスはこれまで40戦して29勝を挙げているが、遠征したレースでは6戦3勝。その3勝はすべて園田競馬場で行われた重賞である。
ハクサンアマゾネスの母オークヒルズは現役時代、JRAで3勝、南関東で1勝を挙げ、6歳2月のTCK女王盃(Jpn3)12着を最後に現役を引退して繁殖入り。オーナーの預託馬として三木田牧場へやってきた。「オークヒルズをお預かりしたのがオーナーとのお付き合いの始まりでしたが、初年度にハーツクライ、2年目にディープインパクトを配合したことからも、期待の大きさが伝わってきました。 オーナーの所有馬であるシルポートが種牡馬入りした2014年からは3年連続でオークヒルズに交配し、その3年目に生まれた牝馬がハクサンアマゾネスだったんです」と話す。
「幼少期から筋肉質で立派な馬体をしており、牝馬ながらにパワフルな印象の馬だったので、〝アマゾネス〟という名前が付けられたと聞いたときはイメージ通りで納得しました(笑)」とハクサンアマゾネスが牧場で過ごした時期を振り返り、「地元・金沢で行われた2021年のJBCレディスクラシック(Jpn1)を現地へ見に行ったのですが、パドックでも落ち着いて歩けているし、精神的にも成長しているのが窺えました。レースを選びながら大事に使ってもらえていますし、加藤和義厩舎の力も大きいと思います。吉原寛人騎手も自厩舎から出た活躍馬なので、思い入れはより一層強いようですね」と、厩舎関係者へ感謝の意を表した。
今年5月11日には、ハクサンアマゾネスの全弟にあたるシルポート産駒の牡馬が誕生。そしてオークヒルズのお腹には再び、父シルポートの仔が宿っているそうだ。「オーナー所有の種牡馬にはハクサンムーンもいて、どちらかを配合することが多いのですが、数少ない産駒の中からハクサンアマゾネスのような活躍馬が出たのは凄いことだと思います」と感心する三木田さん。「ハクサンアマゾネスには次のステップもありますからね。これからも怪我なく無事に競走生活を送り、将来は牧場に戻って後世へ血をつないでいってくれることを願っています」と未来に夢を膨らませる。すでに7歳を迎えたハクサンアマゾネスだが、その走りにまったく陰りは見られない。重賞最多勝記録をどこまで伸ばすかはもちろん、これまで3度挑戦して跳ね返されたダートグレードでの好走も期待したくなる。