2024年08月04日 エルムS G3
優勝馬:ペイシャエス
プロフィール
- 生年月日
- 2019年03月18日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:18戦5勝
- 総収得賞金
- 197,925,000円
- 母 (母父)
- リサプシュケ by ワイルドラッシュ(USA)
- 馬主
- 北所 直人
- 生産者
- 高村 伸一 (様似)
- 調教師
- 小西 一男
- 騎手
- 横山 和生
真夏のダート王決定戦「第29回エルムS(G3)」を制したのは、様似町の高村伸一さん生産で、5番人気のペイシャエスだった。この勝利で通算成績を18戦5勝2着1回3着4回とし、総収得賞金(付加賞など含む)は1億9,000万円を超えた。管理する小西一男調教師は2022年ユニコーンS(G3)以来の重賞勝利で通算8勝目。横山和生騎手は今年の葵S(G3)以来の重賞勝利で通算17勝目の重賞タイトルとなった。
高村伸一牧場は1970年(昭和45年)現在代表を務める同氏の父、秀司氏によって馬産の歴史がスタートしている。半世紀以上に及ぶその歴史の中で、1978年菊花賞馬インターグシケンや1994年京都新聞杯(G2)など重賞3勝スターマン、そして重賞4勝ガルボなどを生産。現在は高村さん夫婦が年間5頭前後の生産規模で「強く、丈夫な馬づくり」を目標に生産活動に励んでいる。
この日、高村さんは家族、親戚とともに札幌競馬場に足を運んで愛馬に声援を送ったという。「私たちのような家族労働の牧場にとって、生産馬が重賞競走の舞台を踏むというのは滅多にあることではありませんが、牧場を留守にすることもできず、なかなか応援に行く機会はありません。それでも、札幌競馬場は牧場から最も近い距離にある競馬場。せめて今回くらいは、という思いで応援に行きました」と少しだけ照れたような表情で当日を振り返り「手塩にかけて育てた馬ですから、昨年のリベンジを果たして欲しい、勝って欲しいという気持ちがなかったといえば嘘になりますが、ここまで頑張ってくれた馬と、頑張っている馬を全力でサポートしてくれている厩舎の方々にお礼を言えた事が良かった」と話してくれた。
パドックで久しぶりに愛馬との対面を果たした高村さんは「小西厩舎の方々は、馬のことを本当に大切にしてくれます。この日も休み明けでしたが、馬はとても落ち着いていて、良い状態に見えました」と感じたという。そして「牧場にいた頃はシャープで格好の良い馬という評価でしたが、5歳になって大人の雰囲気を漂わせていたのが印象的でした」と、述べた。
スタートではミトノオーが引っ張る速い流れを手応えよく追走。勝負どころで、ややおっつけ気味になるシーンもあったが、最後は狭いスペースをこじ開けるようにして伸び、先に抜け出したドゥラエレーデをねじ伏せて、JRA重賞2勝目。通算3つめの重賞タイトルをつかみ取った。
「昨年のエルムS(G3)は59kgを背負っての不良馬場でした。条件的に昨年以上はと思っていましたが、本当によく頑張ってくれたと思います。最後ゴール前は自分たちも無我夢中でした。前回(3歳春のユニコーンS(G3))はテレビ観戦でしたので、この瞬間に立ち会うことが出来て嬉しい」と、家族、親戚とともに写真に収まり「馬と、この馬に関係したすべての方々に感謝です。これからは斤量との戦いになるのかもしれませんが、とにかく無事に。そして、この馬に期待してくれている方々に応えてくれるような走りを期待したいと思います」と晴れやかな表情で話してくれた。