重賞ウィナーレポート

2024年07月28日 クイーンS G3

2024年07月28日 札幌競馬場 晴 稍重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:コガネノソラ

プロフィール

生年月日
2021年05月06日 03歳
性別/毛色
牝/芦毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
76,907,000円
ゴールドシップ
母 (母父)
マイネヒメル  by  ロージズインメイ(USA)
馬主
(有) ビッグレッドファーム
生産者
ビッグレッドファーム (新冠)
調教師
菊沢 隆徳
騎手
丹内 祐次

 JRA70周年記念競走と銘打たれた真夏の女王決定戦「第72回北海道新聞杯クイーンS(G3)」は7月28日に札幌競馬場で行われ、道中は後方で息を潜めていた丹内祐次騎手騎乗の3歳馬コガネノソラが正攻法の競馬で最後までしっかりと脚を伸ばし、ゴール前で前を行く馬をとらえて優勝。デビュー8戦目、2度目の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。管理した菊沢隆徳調教師にとっては2020年エプソムカップ(G3)(優勝馬ダイワキャグニー)以来の重賞勝利で通算13勝目。手綱を取った丹内祐次騎手にとっては、2022年エルムS(G3)(同フルデプスリーダー)以来のJRA重賞勝利で通算6勝目となった。

 コガネノソラの生まれ故郷は新冠町のビッグレッドファーム。1974年に創立された総合牧場で、現在は北海道と茨城県に計7つの牧場を構え、生産、育成、調教、休養のほか、種牡馬事業も行う総合牧場だ。同牧場生産馬のJRA重賞勝利は今年の阪神スプリングジャンプ(JG2)(同マイネルグロン)に続く重賞勝利で今年3勝目、通算38勝目。同ファームが繋養する種牡馬ゴールドシップにとっては今年の毎日杯(G3)(同メイショウタバル)に続くJRA重賞勝利で、今年3勝目、通算10勝目となった。

 「今回、かなり強い馬たちが相手になりましたので、すべてがうまく噛み合わないと勝ち切るのは難しいだろうなと思っていましたが、思っていた以上に力をつけてることを確認できた1戦になりました。まして当場繋養種牡馬ゴールドシップ産駒での重賞勝利は本当に嬉しい。格別のものがあります」と言葉を弾ませたのは同ファームの蛯名聡ゼネラルマネージャーだ。クイーンS(G3)前日のメイン競走STV賞も、同じゴールドシップ産駒で、ビッグレッドファーム生産馬フェアエールングが丹内騎手で勝利していることもあって「いろいろなものが味方してくれたような気がします。51kgだったとはいえ、強い馬たちを相手に外々を回りながら最後までしっかり走ってくれた。春からの成長を感じさせる内容で、頑張ってくれた馬と厩舎の方々、そしてスタッフには頭が下がる思いです」と謙遜するも、秋の大目標にむけてしっかりと手応えをつかんだ様子だった。

 この日は、牧場テレビからの応援だったそうだが「オークス(G1)の後、すぐに牧場に戻しました。疲れもなかったことから早いうちにこのレースを目標に仕上げてきたので、そういう意味でも嬉しいですね」と言葉を続けた。

 牧場時代のコガネノソラは「普段の動きなどから、運動能力の高さは感じていました。牧場ゆかりの血統馬で、コラソンビートもごく近い近親にいる血統ですから、自分としては当時から大きいところを狙える馬だと思っていました。それだけに初勝利を挙げるまでは歯がゆい思いをしましたが、この結果には溜飲が下がる思いです」と笑顔を広げ「この3歳世代はコラソンビートやコスモキュランダなどが活躍してくれていますし、コガネノソラが続いてくれました。このあとは秋華賞(G1)を予定しています。ゴールドシップは、初年度産駒から5世代連続でオークス(G1)に産駒を送り出しているように牝馬に活躍馬が多く、また成長力のある産駒も多く見受けられます。おかげさまで、2024年シーズンはキャリアハイとなる125頭の繁殖牝馬に配合することができました。そんな父親に、更なる後押しができるような、そんな存在になってほしい。期待したいと思います」と言葉に力を込めた。