重賞ウィナーレポート

2024年06月16日 マーメイドS G3

2024年06月16日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アリスヴェリテ

プロフィール

生年月日
2020年04月28日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:19戦4勝
総収得賞金
117,341,000円
キズナ
母 (母父)
ルミエールヴェリテ(USA)  by  Cozzene(USA)
馬主
加藤 誠
生産者
株式会社 ノースヒルズ (新冠)
調教師
中竹 和也
騎手
永島 まなみ

 マーメイドステークス(G3)は春シーズンを締めくくる牝馬限定重賞競走。1996年の創設当初は別定重量戦で行われていたこともあって、人気馬がその人気に応えるケースが多かったが、06年以降はハンデ戦へと変更され「荒れる牝馬重賞競走」として人気が高い。今年は開催日割の変更に伴い、06年以来、18年ぶりに京都競馬場芝2000mで6月16日に行われ、4番人気の支持を受けていた4歳馬アリスヴェリテが50kgのハンデを活かして逃げ切り勝ち。デビュー19戦目、4度目の重賞挑戦で初タイトルを獲得した。手綱を取った永島騎手にとっては嬉しい重賞初勝利。中竹和也調教師にとっては、今年の京都金杯(G3)(優勝馬コレペティトール)に続くJRA重賞勝利で今年2勝目、通算27勝目となった。生産者ノースヒルズにとってはマエコウファーム、ノースヒルズマネジメント時代も含め82勝目のJRA重賞タイトルとなった。

 アリスヴェリテの勝利を鳥取県の調教育成施設大山ヒルズで見届けたのは齋藤慎取締役ディレクターだ。「リアンヴェリテ(大沼S、マリーンS)、キメラヴェリテ(北海道2歳優駿(Jpn3))の妹ですから、当初から期待の大きな血統馬でした。ただ、筋肉粒々だった半兄、全兄とはタイプが異なり、素軽くすっきりした体形、筋肉の持ち主で、芝向きの印象があった馬で、少なくてもダート馬ではないと思っていましたが、そうしたイメージどおりに成長してくれました。改めて種牡馬キズナの幅広さ、可能性を感じせてくれる1頭です」と表現してくれた。

 そうした能力を信じたからこそ「馬を精神的に追い詰めないように、ゆったりと馬にあわせたカリキュラム」で仕上げて送り出し、2歳7月に小倉競馬場芝1800m戦でデビュー。その初戦は最後の直線で力強く脚を伸ばしてライバルたちをねじ伏せ、以降はコンスタントにキャリアを積み上げてきた。

 今回は2勝クラス平場戦を勝ち上がったばかりで形の上では2級上の格上挑戦となったが「2歳秋にはリバティアイランドやファントムシーフと差のない競馬をしていた馬です。これまで歯がゆい競馬を続けていましたが、この勝利は今年に入って3勝目。気の良い馬で、持ち味のスピードを最大限に生かすためには、このような(大逃げ)戦法があっているのでしょうね。すっかり板についてきた印象です」と改心の勝利を笑顔で振り返った。

 そして、レース後はいつものように大山ヒルズへと戻り、心身のリフレッシュを行っている。

 「タフな馬で丈夫な馬。どこか傷めている様子もありませんし、精神的にも落ち着いています。一見すると詰まったローテーションかもしれませんが、トレセンとここ(大山ヒルズ)を往復する生活ですから、息抜きは出来ていると思います。暑い夏はあまり無理をさせる必要はないので、今はリラックスさせています」と充電に専念しているとのこと。

 「秋はエリザベス女王杯(G1)を目標にローテーションを組み立てていくことになると思います。これからはマークが厳しくなるかもしれませんが、自分の競馬ができれば強い馬。強い馬が相手でも、自分の持ち味を生かすためにも臆せずに頑張ってほしいです」とエールが送られている。