2024年06月05日 東京ダービー(中央交流) Jpn1
優勝馬:ラムジェット
プロフィール
- 生年月日
- 2021年04月04日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦5勝
- 総収得賞金
- 184,712,000円
- 母 (母父)
- ネフェルティティ by ゴールドアリュール
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- 株式会社 ノースヒルズ (新冠)
- 調教師
- 佐々木 晶三
- 騎手
- 三浦 皇成
全日本的なダート競走の体系整備によってダートグレード競走(Jpn1)に生まれ変わった「第70回東京ダービー(JBC協会協賛クリソベリル賞)(Jpn1)」が6月5日、大井競馬場ダート2,000mを舞台に行われ、新冠町ノースヒルズ生産ラムジェットが2着馬に6馬身の差をつけて1番人気に応えた。勝ちタイムは2分6秒1(やや重)。手綱を取った三浦皇成騎手の重賞勝利は本年ユニコーンS(G3)(優勝馬ラムジェット)に続き今年2勝目で、通算28勝目(ダートグレード含む)。管理した佐々木晶三調教師にとっても本年ユニコーンS(G3)に続く重賞勝利で通算52勝目(ダートグレード、障害競走含む)。
ラムジェットの生まれ故郷は新冠町のノースヒルズ。1984年に「チャレンジング・スピリット」をモットーに掲げて創業されたマエコウファームをその前身とする総合牧場で、現在は新冠町にある約100haの本場と20haの分場で繁殖牝馬約80頭を繋養し、きめ細かな管理のもとで強く丈夫な馬づくりに励んでいる。
離乳後、生産馬たちは車で30分ほどの距離にある中期育成施設ノースヒルズ清畠(日高町)に送られ、市場で購入された馬を加えた約75頭を約100haという広大な敷地を利用して管理している。そうして鍛えられた馬たちは鳥取県にある調教育成施設大山ヒルズでさらに磨きをかけられ「生産」「中期育成」「調教育成」という三元育成を施され、国内外に活躍馬を送り続けている。
育成を担当している大山ヒルズ(鳥取県)の齋藤慎取締役ディレクターは今回のレースについて「関東出身の自分にとって東京ダービー(Jpn1)は思い入れがあるレースの1つ。狙って獲れるほど簡単なレースではありませんが、ダートグレードのJpn1競走となって最初の年ということはかなり早くから意識していました。幸いにもラムジェットという馬に恵まれ、勝てて嬉しいですし、人気に応えられてほっとしています」と声を弾ませ「当牧場の生産、育成馬キズナを日本ダービー馬に育てていただいた佐々木晶三調教師の管理馬という部分にも不思議な縁を感じました」と振り返った。
牧場時代の印象は「おとなしくて、扱い易く、乗り手を選ばないような馬。普段から無駄なことは一切せずに、坂路での調教でも人間が指示を出すまでじっとしているような、そんな馬でした」とのこと。今回、4角手前で三浦騎手の手が激しく動き、見ているものをヒヤッとさせたが「まだ完成途上ということもあってエンジンのかかりが遅いのです。このレースでは前半のペースがゆっくりだったので、これまでのレースよりも前目のポジションにいましたが、勝負どころで手応えが悪くなるのはいつものこと。とくに心配していませんでした」とサラリ。その言葉どおりにエンジンがかかればあっという間に後続との差を広げ、初めての大井競馬場、初めてのナイター競馬というハンデをまったく感じさせない強さを見せた。
レース後は大山ヒルズで秋に備えている。「あれだけの競馬をしたあとでもケロっとしています。のんびりした性格とゆったりしたキャンターは祖母ラヴェリータゆずり。これまで、数多くのG1/Jpn1勝ち馬を扱わせていただきましたが、これほど手がかからない馬もいなかったと思います。まだ少し脚が長く見える体形で、心身ともに子供っぽさを多分に残す馬。もう少し体重が増えて、大きくなったときに本物になると思います。秋はジャパンダートクラシック(Jpn1)と聞いてますが、ひと夏でどれほど成長してくれるか楽しみです」と期待に胸を膨らませている。
そのジャパンダートクラシック(Jpn1)には、ケンタッキーダービー(G1)で善戦したフォーエバーヤングも出走を予定しており「その結果次第ではチャンピオンズカップ(G1)、あるいは海外も選択肢に入ってくると思います。まずは無事に夏を過ごし、良い状態で送り出したい」と意気込みを見せている。