重賞ウィナーレポート

2024年05月05日 NHKマイルC G1

2024年05月05日 東京競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ジャンタルマンタル

プロフィール

生年月日
2021年03月21日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:6戦4勝
総収得賞金
320,528,000円
パレスマリス(USA)
母 (母父)
インディアマントゥアナ(USA)  by  Wilburn(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
高野 友和
騎手
川田 将雅

 デビューから連勝を重ねていき、デイリー杯2歳S(G2)と朝日杯FS(G1)を優勝。記者投票では288票を集めて、2023年のJRA最優秀2歳牡馬に選出されたジャンタルマンタル。今年は更なる飛躍も期待されたが、共同通信杯(G3)では2着、皐月賞(G1)でも3着に敗れてしまう。

 陣営が次走に選んだのは、これまでに2戦2勝をあげている芝の1,600mで行われるNHKマイルC(G1)。だが、中2週でのローテーションは初めてであり、しかも、レコード決着となった皐月賞(G1)からの消耗も考えられた。

 「前走(皐月賞(G1))から中2週のローテに心配がなかったわけではありません。ただ、終わってみれば完勝と言えるようなレース内容となり、本当に嬉しかったです」と笑顔をほころばせるのは、社台ファームの石井猛牡馬調教主任。今回はデビュー以来、初めての在厩調整となったが、石井調教主任は、管理をする高野調教師や厩舎スタッフに対して、感謝の言葉を送る。

 「高野先生や厩舎の皆さんには、万全な仕上げをしていただいたと思います。そこに鞍上を務めてくれた川田(将雅)騎手の完璧なエスコートもあって、優勝をすることができました」(石井調教主任)

 そのレース内容は、まさに完勝と言えるものだった。1番人気こそ阪神JF(G1)の勝ち馬で、今年の桜花賞(G1)でも2着となったアスコリピチェーノに譲ったものの、好スタートを決めたジャンタルマンタルは、道中を4、5番手に待機。最後の直線を前にして徐々にポジションを上げていくと、馬場の真ん中に進路を向けていく。

 残り2ハロンを過ぎたあたりで、川田騎手からのゴーサインが出ると一気に加速を開始。あっという間に後続を置き去りにしていく。最後の直線ではアスコリピチェーノが末脚を伸ばしてくるも、2馬身半差をつける快勝。晴れて3歳最強マイル王の座に上り詰めた。

 ジャンタルマンタルのような3歳馬だけでなく、今年春のG1戦線での成績にも証明されているように、近年の社台ファーム生産馬は世代を問わない活躍を見せている。

 「ここ数年、牧場全体で丈夫な馬作りと、操作性に優れた競走馬の育成に取り組んできました。ジャンタルマンタルの走りはその全てが形となったようなレースぶりであり、レース後には深い感慨を覚えました」

 レース後は山元トレーニングセンターへと放牧され、鋭気を養っているジャンタルマンタル。この後のローテ―ションを含め秋のG1戦線でも注目すべき存在となりそうだ。

 「これからは古馬との対戦が始まっていきますが、ひと夏越しての成長を楽しみにしています」とエールを送る石井調教主任。秋競馬でもJRA賞を受賞するような活躍を見せてもらいたい。