重賞ウィナーレポート

2024年05月05日 新潟大賞典 G3

2024年05月05日 新潟競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヤマニンサルバム

プロフィール

生年月日
2019年04月09日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:22戦7勝
総収得賞金
205,911,000円
イスラボニータ
母 (母父)
ヤマニンエマイユ  by  ホワイトマズル(GB)
馬主
土井 肇
生産者
錦岡牧場 (新冠)
調教師
中村 直也
騎手
斎藤 新

 春の新潟開催を代表する第46回新潟大賞典(G3)が、5月5日ワンターンの2,000mコースで行われ、先行グループを積極的に引っ張った5歳牡馬ヤマニンサルバムが残り500m付近で抜け出し、追い込むキングズパレスをハナ差抑えて2分0秒1(良)で優勝。通産成績を22戦7勝2着4回3着4回とした。手綱をとった斎藤新騎手は、先のマーチS(G3)(優勝馬ヴァルツァーシャル)以来の重賞勝利で通算6勝目。管理した中村直也調教師は昨年の中日新聞杯(G3)(優勝馬ヤマニンサルバム)以来の重賞勝利で通算3勝目となった。

 同馬を生産したのは新冠町の錦岡牧場。1955年に苫小牧市錦岡の地に創設され、その後79年に現在地に移転。現在はおよそ30頭の繁殖牝馬を繋養し、生産から育成までを行う総合牧場で、創業者の土井重雄氏の時代から現在まで70年余りオーナーブリーダーとして事業を継続。その歴史の中で1972年の天皇賞(秋)に優勝したヤマニンウエーブや、1992、1993年の安田記念(G1)を連覇し、1993年は天皇賞(秋)(G1)にも勝ってJRA賞最優秀4歳以上牡馬に選出されたヤマニンゼファーなどを送り出しており、2016年に二代目代表の土井睦秋氏が逝去してからは妻の久美子さんが経営を引き継いでいる。昭和の競馬隆盛期から令和の現代まで長い歴史と伝統を有する錦岡牧場。同場に35年間勤める石井秀厚場長はヤマニンサルバムの今回の勝利についてこう語った。

 「私は牧場で世話になって、もう35年が経ちます。従業員は繁殖担当が4名、育成担当が9名。みんなで力を併せて頑張っています。ヤマニンサルバムは昨年暮れに中日新聞杯(G3)を優勝してくれました。牧場にとっては12年ぶりのJRA重賞勝利。それはスタッフ一同で盛り上がりましたよ!今度もまた重賞を勝てるなんて思ってもみなかったですね。喜びを飛び超えて少し驚いています(笑)」

 「サルバムは8年前に睦秋社長が亡くなってから牧場にとって初めてのグレードホースですから、久美子社長にとっても我々現場の者にとっても本当に英雄です(笑)。でも、実はサルバムは生まれてから送り出すまで決して順調な馬ではありませんでしたので、とにかく無事に競馬場へ送り出したいと願っていた馬です。ですから、3歳の1月に小倉競馬場でデビューしてくれたときは本当にうれしかったですし、2着という結果にもある意味でホッとしました」と牧場時代のエピソードも話してくれた。

 「今回の勝利は、馬の持ち味を十分に発揮させてくれた斎藤騎手の好判断のお陰だと思っています。実は、この日、私は病気で床に伏しており、恥ずかしながら布団の中から観戦していました。スタッフは牧場のテレビの前で大騒ぎしていたらしいです」と笑った。

 「この馬のリズムでレースを進めることができたから、最後まで後続の馬には抜かせない精神力につながったと思います。1歳年上のヤマニンサンパは宝塚記念(G1)に向かうと聞いていますし、今はまだ少し長い休養中のヤマニンゼストも3歳時は後の天皇賞(春)馬になるジャスティンパレスの2着になるなど力はあると思います。ヤマニンサルバムの次走がどこになるかはわかりませんが、今後の楽しみが広がる勝利でした。これからもぜひ応援してください」と目を輝かせている。