重賞ウィナーレポート

2024年04月27日 ユニコーンS G3

2024年04月27日 京都競馬場 曇 良 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ラムジェット

プロフィール

生年月日
2021年04月04日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:6戦4勝
総収得賞金
177,712,000円
マジェスティックウォリアー(USA)
母 (母父)
ネフェルティティ  by  ゴールドアリュール
馬主
前田 幸治
生産者
株式会社 ノースヒルズ (新冠)
調教師
佐々木 晶三
騎手
三浦 皇成

 全日本的なダート競走の体系整備により、6月5日に大井競馬場で行われる東京ダービー(Jpn1)のトライアルレースへと生まれ変わったユニコーンS(G3)が4月27日に行われ、三浦皇成騎手騎乗の3番人気ラムジェットが1分58秒6で優勝した。この日も前半は促されながらの追走だったが、豊富な心肺機能を武器に向こう正面からスパート。豪快に外を回って追い上げ、残り1ハロン地点で先頭に立つと、最後まで衰えぬ脚で2着サトノエピックに2馬半差をつけて、通算成績を6戦4勝3着1回とした。

 三浦皇成騎手は昨年の中日新聞杯(G3) (優勝馬ヤマニンサルバム)以来の重賞勝利で通算22勝目。佐々木晶三調教師にとっては22年プロキオンS(G3)(優勝馬ゲンパチルシファー)以来の重賞勝利で通算51勝目の重賞勝利となった。

 ラムジェットの生まれ故郷は新冠町のノースヒルズ。1984年創業のマエコウファームをその前身とし、現在は約100haの新冠本場と約20haの分場を利用しておよそ80頭の繁殖牝馬を管理。日高町清畠地区にある100haの中期育成牧場「ノースヒルズ清畠」と鳥取県大山にある調教育成施設「大山ヒルズ」の三元育成により、強く丈夫な馬づくりを行っている。

 JRA重賞勝利は中山牝馬S(G3)に続いて今シーズン2勝目。勝利を見届けた大山ヒルズの齋藤慎取締役ディレクターは「これまでのレースを見て分かるようにラムジェットは完歩が大きくて、エンジンのかかりが遅い馬。それだけにスタート部分からダートコースに変わるのはプラス材料だと思っていましたし、コーナー4つも味方してくれると思っていました。残り1,000mくらいから動いていきましたが、最後まで安心してみることができました」と愛馬を称えた。

 祖母のラヴェリータは2007年米国キーンランド社セプテンバーセールにおいて32万ドルで購入し、競走馬として輸入。7つのダートグレード競走含む11勝を記録するなどグループにとっては、思い出深い馬だ。

 「ラヴェリータは牝馬ながらに500kgを超える大きな馬で、ゆったりとしたキャンターを行う馬でした。その孫となるラムジェットも馬格にも恵まれました。のんびりした性格やゆったりとしたキャンターは祖母を思い出させてくれます」と懐かしんでいる。

 そんなラムジェットに対する第一印象は「まだ芯は入っていませんでしたが、大きくて柔らかい馬だった」とのこと。その育成時代を訪ねると「オン・オフの切り替えが上手な馬で、普段はおとなしく、まったくと言って手がかからない馬でした。調教でも、ゴーサインが出されるまではずっと自分のペースで走るような馬で、誰でも乗れるような馬。良い意味で印象に残らないような馬でした」と順調だった育成時代を振り返った。

 しかし、この勝利でダート路線の中心馬としてスポットライトを浴びることになった。「まだまだ成長途上ですが、次走は生まれ変わった東京ダービー(Jpn1)と聞いています。ダートグレードになる前から3歳馬にとってはダート競馬の祭典。日本ダービー(G1)は3回勝たせてもらっていますが、その第1回目から目指せるというのは本当に嬉しい。将来はいろいろな選択肢がある馬だと思うので、そんな足がかりになるような競馬をしてくれたら嬉しいです」とレースを心待ちにしている。