重賞ウィナーレポート

2024年04月28日 天皇賞(春) G1

2024年04月28日 京都競馬場 晴 良 芝 3200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テーオーロイヤル

プロフィール

生年月日
2018年03月06日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:18戦8勝
総収得賞金
518,266,000円
リオンディーズ
母 (母父)
メイショウオウヒ  by  マンハッタンカフェ
馬主
小笹 公也
生産者
三嶋牧場 (浦河)
調教師
岡田 稲男
騎手
菱田 裕二

 2024年4月28日、第169回天皇賞(春)(G1)が6万人を越えるファンを集めた京都競馬場芝3,200m(良)17頭立てで行われた。この日、京都市の気温は30.6度と12年ぶりの真夏日のなか、勝ったのは6歳牡馬テーオーロイヤル(父リオンディーズ、母メイショウオウヒ)。単勝2.8倍の1番人気に支持されたテーオーロイヤルはマテンロウレオが逃げを打つなか終始4番手をすすみ、2周目の淀の坂の下りで仕掛けて最終コーナーを回ってゴール前300m付近で早くも先頭にたち、外からブローザホーンが襲ってくるのを2馬身差抑えて初優勝を果たした。

 同馬はこれで3,000m以上の重賞レースで6戦4勝2着1回3着1回。今年に入ってからダイヤモンドS(G3)、阪神大賞典(G2)、天皇賞(春)(G1)とマラソンレースを3連勝し、名実ともに長距離王者のタイトルを手に入れた。手綱を取ったのは菱田裕二騎手で、管理したのは栗東所属の岡田稲男調教師。いずれもテーオーロイヤルによる阪神大賞典(G2)以来の重賞勝利となり、師弟関係にあるこの2人にとってJRAのG1競走は初勝利となった。

 生産牧場三嶋牧場の三嶋健一郎氏はテーオーロイヤルの勝利についてこう語った。

 「生産者にとっても天皇賞(春)(G1)というのは日本ダービー(G1)とともに名誉あるレースですので、レース当日はどこか気持ちが少し張ったような精神状態でした。ホテルを出て競馬場に着くと、すでに多くの観客で賑わっていました。この日はとても暑く、パドックで少し汗をかいていましたが、状態はとても良く見えました」とレース当日の様子を振り返り「レースでは、菱田騎手が平常心を失わずに馬のスタミナと能力に自信をもって、大事に乗っている印象を受けました。最終コーナーを回っても手応えも良く、私自身も力が入りましたが、その反面ずいぶんと直線が長く感じました。伝統の8大競走のゴールは遥か遠く長く感じます。ほっとした後に、胸にじわじわ嬉しい気持ちがこみあげてきましたし、ゴール後の歓声には感激しました」と喜びを表現してくれた。

 そして、本馬場での表彰式。「2021年の安田記念(G1)はコロナで表彰式がありませんでしたし、昨年の高松宮記念(G1)は私がドバイに行っていたので出席できませんでした。ですからG1の表彰式はこの日が初めてでした。赤い絨毯。大勢のファンと向かい合う不思議な感覚。天皇盾を運ぶ職員の白い手袋。すべてが厳かな雰囲気で行われました。やはり天皇賞(春)(G1)は格別です。三嶋牧場の歴史のなかで最も栄誉な一日となりました」と話してくれた。

 既報のとおり、レース後に軽度な骨折が判明したが、無事に骨片の除去手術は成功。「馬はゆっくり休んで秋に備えるようですね。でも、今はこの感動にもう少し浸っていたいですね」と柔和な笑顔を見せてくれた。