2024年04月21日 フローラS G2
優勝馬:アドマイヤベル
プロフィール
- 生年月日
- 2021年03月01日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 67,288,000円
- 母 (母父)
- ベルアリュールⅡ(IRE) by Numerous(USA)
- 馬主
- 近藤 旬子
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 加藤 征弘
- 騎手
- 横山 武史
フローラS(G2)を勝利し、オークス(G1)に名乗りを上げたアドマイヤベルは、半姉には2017年のヴィクトリアマイル(G1)を制した、アドマイヤリードの名前もある。そして、ノーザンファーム早来の村上隆博厩舎長は、この2頭の騎乗育成に携わってきた。
「父がステイゴールドからスワーヴリチャードに変わったこともありますが、アドマイヤリードは小柄でまとまった馬体。一方、アドマイヤベルはスラっとして脚長の体型と、馬の作りが全く違っていました」とは村上厩舎長。調教でもアドマイヤリードが芝のマイル向きと思える小気味のいい走りをしていたのに対して、アドマイヤベルはフットワークの大きさからしても、芝の中距離から更に距離を伸ばして行けそうなフットワークの大きさを感じさせていた。
「同じころのアドマイヤリードよりも、スムーズに調教を進めることができました。4月末には本州に送り出せただけでなく、夏開催でのデビューも視野に入っていました」(村上厩舎長)
8月のメイクデビュー新潟で初陣を飾ったアドマイヤベルは、その後、充分な感覚を取って、11月の東京開催で行われた百日草特別に出走。年明けのレースは2月東京開催のフリージア賞と充分な感覚を取られながらレースを使われていった。
「そんなに使い詰めすることなく、距離のあるレースを選んでレースに出走させてくれたのだと思います。能力の高さは感じていましたが、使いながら良くなってくるタイプだと思っていただけに、新馬戦を勝ってくれたのは驚きでした。しかも、後方からあれだけの脚を使ってくれたのにはびっくりしました」
メイクデビューの後の2戦は勝ちきれなかったものの、安定したレースぶりにも現れていたように、見た目にも馬がしっかりとしたとの感覚を持っていた。
「ノーザンファーム天栄や加藤(征)厩舎で成長を促してもらえたのが、安定感のある走りに証明されていたと思いました。クラシックに向けて変化していけるのは、この馬の成長力であり、アドマイヤリードの活躍にも証明された血統の良さだとも感じていました」
2番人気で迎えたフローラS(G2)であったが、村上厩舎長は権利を取るだけでなく、勝利をおさめて、オークス(G1)へ向かっていけると信じていた。
ゲートが開くとアドマイヤベルは先団からレースを進めていく。折り合いに不安も無く迎えた最後の直線では馬場の真ん中に進路を向けると、残り2ハロン過ぎから気合をつけていき、最後の1ハロンで一気にスパート。ゴール板までしっかりと伸びが末脚は、2ハロンの延長となるオークス(G1)での距離不安も感じさせないような走りだった。
「いい位置でちゃんと我慢をしてくれたことが、あの末脚に繋がったと思います。距離の不安はありませんし、オークス(G1)だけでなく、その先々も更に強く成ってくれそうなレースを見せてくれたと思います」
4歳の5月にヴィクトリアマイル(G1)を制したアドマイヤリードよりも、更に早い時期での重賞初制覇となったが、その姉の活躍を見てもアドマイヤベルが競走馬としての完成を迎えるのはまだ先なのかもしれない。ただ、オークス(G1)での適性の高さが言うまでもないだけに、そこにフローラS(G2)からの成長も加味されれば、姉より2年早いG1制覇は現実となってくる。