重賞ウィナーレポート

2024年04月13日 アーリントンC G3

2024年04月13日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ディスペランツァ

プロフィール

生年月日
2021年03月02日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:6戦3勝
総収得賞金
55,587,000円
ルーラーシップ
母 (母父)
ルパンⅡ(USA)  by  Medaglia d'Oro(USA)
馬主
(有) ターフ・スポート
生産者
谷川牧場 (浦河)
調教師
吉岡 辰弥
騎手
J.モレイラ

 上位3頭までにNHKマイルC(G1)の優先出走権が付与される「第33回アーリントンC(G3)」が4月13日に阪神競馬場で行われ、J.モレイラ騎手騎乗の1番人気ディスペランツァがゴール前で外から強襲。通算成績を6戦3勝とし、3度目の挑戦で初のビッグタイトルに輝いた。

 短期免許で来日を果たしたモレイラ騎手は桜花賞(G1)のステレンボッシュに続く重賞勝利で通算12勝目。吉岡辰弥調教師にとっては今年のシンザン記念(G3) (優勝馬ノーブルロジャー)に続く重賞勝利で通算4つめのタイトルとなった。

 ディスペランツァを生産したのは浦河町の谷川牧場。明治45年(1912年)創業という歴史ある牧場で、ダービー馬タケホープや、オークス馬タケフブキ、チョウカイキャロル、菊花賞馬ミナガワマンナはじめ、近年もナムラクレアやファントムシーフ、ニシノデイジーなどを送っている。

 競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会うことができた谷川貴英代表は「初めて1,600m戦を使った前走の自己条件戦がとても良い勝ち方だったので、今回のメンバー相手にどのような競馬をしてくれるのか期待していました。パドックの印象は素晴らしいもので、期待が膨らみましたが、レースではなかなか進路を確保することが出来ずにハラハラしました。それでも、最後の脚は素晴らしかったと思います。重賞レースを勝つには運と縁があると思いますが、今回はすべてが噛み合った印象です。今回のようにある程度ポジションを取りに行っても、あの脚を使えたということは本番でも楽しみ広がります」と期待に胸を膨らませている。

 母のルパンⅡは愛国古牝馬チャンピオンの直仔。ニューマーケットの繁殖セールで購入した。「当初は購入リストになかった馬ですが、欲しかった馬が買えずに途方に暮れていたところ一緒に行った仲間に勧められてせりに参加しました。素晴らしい繁殖牝馬と巡り会えたことに感謝しています」というように初仔のルピナスリード、第2仔のファントムシーフともにオープン馬。ファントムシーフは皐月賞(G1)で1番人気にもなっている。

 牧場時代のディスペランツァは「生まれたときは少し物足りない印象がありましたが、ひと冬越して大きく成長し、育成を始める頃には十分な馬格に成長しました。性格的にはファントムシーフがそうだったように、やんちゃ。とにかくやんちゃな馬で小さな傷が絶えないような馬でした。それでも、坂のある放牧地を元気に走り回っていた印象があります。ところが騎乗馴致を始めたら素直で騎乗者の指示には従い、カイバもよく食べてくれる優等生でした」と牧場時代を振り返った。

 そして、レース後にはNHKマイルC(G1)への挑戦が発表された。「ニシノデイジーが中山大障害(JG1)を勝ってくれましたが、生産馬の平地G1勝利は09年のフェブラリーS(G1)(優勝馬サクセスブロッケン)から縁がありません。その間も惜しいレースは何度かありますので、今回は何とか良い競馬をして欲しいと願っています」という決意を胸に、当日は東京競馬場で声援を送るつもりだという。