重賞ウィナーレポート

2024年04月14日 アンタレスS G3

2024年04月14日 阪神競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキーヌチバナ

プロフィール

生年月日
2018年03月13日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:19戦5勝
総収得賞金
126,286,000円
ダノンレジェンド(USA)
母 (母父)
ヌチバナ  by  キングカメハメハ
馬主
野田 みづき
生産者
追分ファーム (安平)
調教師
高橋 亮
騎手
太宰 啓介

 デビューから19戦目、6歳時のアンタレスS(G3)で初重賞制覇をあげたミッキーヌチバナは、追分ファームの看板牝系とも言えるニキーヤを曾祖母に持つ。

 「ニキーヤの血統で重賞を勝てたのは嬉しかったです」とは育成を手掛けてきた、追分ファームリリーバレーの吾田翼厩舎長。ブラックタイプに活躍馬が並ぶニキーヤの血統だが、その中でも代表馬となるのが、父にサンデーサイレンスを持つ産駒のゴールドアリュールと言えよう。

 ゴールドアリュールはフェブラリーS(G1)を含めてG1で4勝をあげただけでなく、種牡馬となってから輩出してきたG1馬たちは種牡馬となり、その父系を更に発展させている。

 半弟にマーチS(G3)の勝ち馬ソロルの名前もある母のヌチバナは、現役時に地方で2勝ながらも、繁殖入り後は産駒のギャラクシーソウルが中央のダートで3勝。ミッキーヌチバナのきょうだいとなるアコークロー、オソルノも中央での勝ち鞍は全てダートと、砂適性の高さを産駒に伝えていった。

 その母ヌチバナに配合されたのが、父にJBCスプリント(Jpn1)の勝ち馬であるダノンレジェンドである。

 「ダノンレジェンドの初年度産駒となりますが、こちらに来た頃から雄大な馬格をしており、いかにもダート向きといった印象がありました。走りにも力強さがあり、速い時計を出すようになってからは動きも更に良くなっていきました」(吾田厩舎長)

 デビュー2戦目となる3歳未勝利戦で勝ち上がってからは、掲示板を外さない安定したレース内容でクラスを上げていく。昨年の御陵S(3勝クラス)を勝ってオープン入りを果たすと、ペテルギウスSでも3着に入着する。

 「安定した成績だけでなく、毎年必ず1勝はあげてくれていたので、立派な馬だと思っていました。東海S(G2)はメンバーも強かったと思いますが、その中でもいいレースをしてくれていたので、次走は楽しみだと思っていました」

 5番人気での出走となったアンタレスS(G3)であったが、初勝利を含めて、過去にこのコンビで2勝をあげていた太宰騎手が手綱を取った。

 「これまでのレースを見ていても、太宰騎手と手が合う印象がありました。いい位置でレースを進めてくれていましたし、最後の直線で抜け出してきた時には『差せ!』と言葉が出ました」

 先に抜け出したスレイマンが粘り込みを図る中を、ゴール前でクビ差交わしての勝利。太宰騎手にとっては2016年のアスカノロマン(平安S(G3))以来、8年ぶりのJRA重賞制覇となった。

 追分ファーム生産馬のダートでの活躍馬には、昨年の浦和記念(Jpn2)と名古屋グランプリ(Jpn2)を勝利したディクテオンの名前もあるが、ミッキーヌチバナと同じ6歳世代となる。

 「ディクテオンも育成馬となりますが、古馬となってからも息の長い活躍をしてくれているのは本当に嬉しいです。いつか、2頭が対決するレースもあるかと思いますが、共に更に大きなタイトルを期待したいです」

 ミッキーヌチバナの次走は平安S(G3)となった。名牝系から受け継がれた能力が開花した今、重賞を連勝するだけでなく、その先にあるダートG1制覇も視野に入ってきている。