2024年04月06日 NZトロフィー G2
優勝馬:エコロブルーム
プロフィール
- 生年月日
- 2021年04月08日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/栗毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 78,606,000円
- 父
- ダイワメジャー
- 母 (母父)
- シュガーショック(USA) by Candy Ride(ARG)
- 馬主
- 原村 正紀
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 加藤 征弘
- 騎手
- 横山 武史
半兄に2021年のきさらぎ賞(G3)の勝ち馬であるラーゴム、4勝をあげてオープン入りを果たしている全兄スパイダーゴールドがいるエコロブルームは、2022年のセレクトセール1歳セッションにおいて9,240万円で落札された。
「育成時は馬体が増えやすかっただけでなく、2歳の春先を迎えても緩さが抜けきっていなかったです」とは騎乗育成を手掛けた、ノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長。ただ、2歳6月のゲート試験を合格した後に再び牧場へ戻ってくると、気性面でピリッとした部分が見受けられるようになっていた。
「入厩に向けて進めてもらったのですが、現段階では牧場で作り直した方がいいとの判断となりました。ただ環境を変えたことで、競走馬としてのトリガーが入ったのかもしれません。こちらに戻ってきてからの調教の動きも良くなっていきました」(佐々木厩舎長)
2歳戦における産駒成績にも表れているように、ダイワメジャーの産駒は仕上がりの良さだけでなく、父譲りの前向きさも相成って、スプリントやマイルといった短い条件からも安定した活躍を見せていた。だが、エコロブルームは気性面も落ち着いており、ための利く走りができていた。
「ダイワメジャー産駒にしては柔軟さもあり、マイルぐらいで切れのある走りができるのではとの印象もありました。調教は自分が乗っていたのですが、脚元も丈夫だったので、日によっては一日に坂路へ二本入るだけでなく、その際にはためを作って、しっかりとしまいを延ばしていくような調教を心がけていました」
その調教にしっかりと答えていったエコロブルームは9月に再入厩を果たすと、10月のメイクデビュー東京でデビューを迎える。そのレースこそ3着に敗れるも、続く2歳未勝利戦では好位追走から抜け出して初勝利をあげる。
1番人気を集めたシンザン記念(G3)では好位抜けだしを図るも、後方から追い込んできたノーブルロジャーに交わされる形で2着に敗退。ニュージーランドT(G2)は3番人気となったが、ここでもレースセンス良く好位を確保して直線へと向かっていく。
「最後の直線では前が壁になっていたこともあり、追い出すタイミングも遅くなったので、前を交わすのは難しいかなと思いました」
だが、鞍上の横山武史騎手が僅かな隙間にエコロブルームの頭を向けていくと、ゴール前の急坂もしっかりと駆け上がり、前を行くボンドガールとユキノロイヤルをしっかりと捕らえきってのゴール。佐々木厩舎長が牧場の調教で目指してきた走りを、重賞の舞台で遺憾なく発揮してみせた。
「横山(武史)騎手とも手が合うのでしょうし、ここで感覚を掴んでもらえたのは、次のレースにも繋がっていくと思います」
今年、佐々木厩舎長が管理をするC3厩舎では、ビザンチンドリームもきさらぎ賞(G3)を勝利して、皐月賞(G1)へと出走。かたやNHKマイルC(G1)、かたや日本ダービー(G1)と3歳春のG1戦線を沸かしている。
「C3厩舎で育成馬を管理するようになって3年目となりますが、ここでの方針も確立されてきた印象があるだけでなく、共に働くスタッフとの関係性も更に深まってきた結果が出ている印象があります。スタッフたちには感謝しかありませんし、3歳春の重賞を沸かすような育成馬の活躍は、自分たちの仕事に対する自信ともなっていきます」と佐々木厩舎長。エコロブルームもビサンチンドリームも、走りや脚質からしても、東京コースは向いているはずとも期待を寄せているだけに、まずはエコロブルームに更なる仕事に対する自信へと繋がる走りを期待したい。