重賞ウィナーレポート

2024年04月07日 桜花賞 G1

2024年04月07日 阪神競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ステレンボッシュ

プロフィール

生年月日
2021年02月12日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:5戦3勝
総収得賞金
311,768,000円
エピファネイア
母 (母父)
ブルークランズ  by  ルーラーシップ
馬主
吉田 勝己
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
J.モレイラ

 上位人気馬5頭が単勝一桁代と、混戦模様となった今年の桜花賞(G1)。阪神JF(G1)からの直行馬、トライアルを使ってきた馬など、その過程も予想を難しくさせたと言える。

 その混戦を統治してみせたのは前走の阪神JF(G1)で2着となったステレンボッシュ。2着にもその時の優勝馬であるアスコリピチェーノと、昨年のG1を沸かせた2頭が、そこから成長力を改めて示す形となった。

 育成を手掛けたのはノーザンファーム空港のD-4厩舎。橋口敦史厩舎長にとっては、昨年のスプリンターズS(G1)を制した、ママコチャに続く育成馬のG1勝利となった。

 「育成時の印象としては、距離があった方が良さそうな走りをしていたので、阪神JF(G1)や桜花賞(G1)よりも、オークス(G1)向きでは無いかと思っていました」(橋口厩舎長)

 ステレンボッシュは乗り出した頃から馬体の良さも目立っていただけでなく、動きには素軽さも感じられていた。高いスピード能力も感じさせていた一方で、パワーはまだ付き切っておらず、それも含めて3歳の春先からの更なる良化を予感させていた。

 順調に調教も進められたステレンボッシュは、2歳7月のメイクデビュー札幌で初戦を迎える。

 「エピファネイア産駒は前向きさもありますが、この馬に関しては気持ちの面でゆとりもあったので、新馬戦の条件となった芝1800mは向いていると思いました。新馬戦の後は牧場で管理をさせてもらったのですが、見た目だけでなく、精神的にも逞しくなっていたような印象を受けました」

 帰厩後はサフラン賞に出走。そこではハナ差の2着に敗れるも、続く赤松賞を勝利して阪神JF(G1)へと臨んでいく。

 「きついローテーションだと思っていただけに、G1での2着には驚きました。阪神JF(G1)は競馬場へ応援に行っていたのですが、追い込んできた時には『差せ!』と叫んでいました。着差も着差だけに悔しさはありましたが、賞金を加算できたので、余裕のあるローテーションで競馬に臨めるのが大きいと思いました」

 その後はノーザンファーム天栄での調整が行われていっただけでなく、栗東で調整が図られてからも、調子を上げていったとの連絡が橋口厩舎長の元に届いていた。

 阪神JF(G1)からはマイナス4kgでの出走となったものの細め感は無く、むしろこの舞台に向けて研ぎ澄まされたような状態で出走してきたステレンボッシュは、ゲートが開くと中団からレースを進めていく。一番人気のアスコリピチェーノはその前でレースを進めていたが、最後の直線で先に抜け出したのはステレンボッシュだった。

 「直線の位置取りは阪神JF(G1)とは逆になりました。それだけに今回は『残せ! 』と思いながら声援を送っていました」

 残り1ハロンで先頭に立ったステレンボッシュ。外からはアスコリピチェーノや後続馬たちが脚を伸ばしてくる。だが、ステレンボッシュの脚色は最後まで衰えなかった。

 「牝馬厩舎としての目標はやはりクラシック制覇であり、その前の阪神JF(G1)も勝ちたいレースとなります。その2つのレースで活躍してくれたのはとても嬉しく、更にオークス(G1)が楽しみになりました」と橋口厩舎長。元々オークス(G1)向きと言われていた素質馬でもあり、二冠制覇どころか、牝馬三冠制覇も見せてきた感もある。