2024年03月30日 ダービー卿ChT G3
優勝馬:パラレルヴィジョン
プロフィール
- 生年月日
- 2019年02月04日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦6勝
- 総収得賞金
- 135,888,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 国枝 栄
- 騎手
- 戸崎 圭太
3歳4月に中山競馬場で行われた未勝利戦を優勝し、デビュー13戦目となるダービー卿ChT(G3)で初重賞制覇を果たしたパラレルヴィジョン。ノーザンファーム早来での育成時には、2歳夏のデビューが予定されていたほどに調教が進んでいた。
「2歳の3月には国枝厩舎へと移動しましたが、デビューを前に左トモに腫れが見つかり、その後、骨片の除去手術を行いました」とは現在はノーザンファーム空港で育成馬を手掛けている伊藤隆行厩舎長。育成時の印象については、「仕上がりの良さもさることながら、キズナ産駒らしいしっかりとした芯の中に、動かすとバネの良さを備えていました。デビューが遅くなったのは残念でしたが、この期間が成長に繋がるとポジティブに変換していました。実際に芝の2,000mで強い勝ち方をしてくれた時には、今後の活躍に繋がると期待をしていました」と話す。パラレルヴィジョンは続く3歳1勝クラスも勝利すると、3歳秋には神戸新聞杯(G2)に出走。連勝の内容も評価される形で1番人気の支持を集めるも7着に敗れてしまう。
「神戸新聞杯(G2)は心身のバランスが、まだフィットしていないようなレースとなってしまいました。それでも東京芝2,000mで行われた3歳2勝クラスで、2着馬に3馬身半差をつけての逃げ切ったレースを見た時には、これをきっかけに本格化したのではと思いました」(伊藤厩舎長)
勝ち時計の1分59秒5も非常に優秀だったが、その後は勝ちきれないレースが続いていく。陣営は新境地を開くべく、デビュー10戦目にして初めてのダート戦を使うと、能力の違いとばかりに見事に勝利。だが、続く霜月Sではスタートのタイミングが合わなかった影響もあり、12着に敗退する。
再び芝のレースに戦いの場を移したパラレルヴィジョンは、ニューイヤーSでオープン初勝利をあげると、2度目の重賞挑戦となるダービー卿ChT(G3)に臨んできた。
「ゴール前に坂がある中山の芝1,600mはマイル戦の中でも特殊な条件であり、適性のある馬が有利だと思っていました。前走のニューイヤーSと同条件のレースとなりましたが、その時からポジションを取れるレースもできていましたし、逃げ残りを図っていた馬を差し切った脚は見事でした」
好ダッシュを決めたパラレルヴィジョンであるが、そこを叩いていくかのように先頭に立ったのはエエヤン。そのまま後続との差を広げていくと、最後の直線でも5馬身差ほどの差を付けて逃げ切りを図る。
しかし、直線の坂を上り終えたパラレルヴィジョンはそこから一気に加速。一歩。また一歩とその差を縮めていき、ゴール前で見事に交わしてみせた。
「これまでのレース経験が全て生かされたような競馬でした。次走は安田記念(G1)を予定していますが、東京コースの実績もあるだけに、どんなレースを見せてくれるか楽しみです」と伊藤厩舎長。これで芝のマイル戦は2戦2勝。ダートでの唯一の勝ち鞍もまた、東京のマイル戦でもあるだけに、安田記念(G1)でも注目の存在となりそうだ。