重賞ウィナーレポート

2024年03月24日 マーチS G3

2024年03月24日 中山競馬場 曇 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヴァルツァーシャル

プロフィール

生年月日
2019年04月22日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:19戦6勝
総収得賞金
139,335,000円
マクフィ(GB)
母 (母父)
バイカターキン  by  エンパイアメーカー(USA)
馬主
ウエスト.フォレスト.ステイブル (株)
生産者
梅田牧場 (荻伏)
調教師
高木 登
騎手
斎藤 新

 6月26日に大井競馬場で行われる帝王賞(Jpn1)を目標とする馬たちのステップレース「第31回マーチS(G3)」が3月24日、中山競馬場ダート1,800mで行われ、斎藤新騎手騎乗の7番人気ヴァルツァーシャルが最後の直線で豪快に伸びて1分50秒7(良)で優勝。通算成績を19戦6勝2着2回3着2回とし、4度目の重賞挑戦で初の重賞タイトルに輝いた。手綱を取った斎藤騎手にとっては昨年のクイーンS(G3)(優勝馬ドゥーラ)以来のJRA重賞勝利で通算5勝目。管理する高木登調教師にとっては22年中山大障害(JG1)(優勝馬ニシノデイジー)以来のJRA重賞勝利で通算9勝目となった。

 ヴァルツァーシャルの生まれ故郷は浦河町の梅田牧場。昭和25年創業と歴史ある牧場でJBCレディスクラシック(Jpn1)2連覇のホワイトフーガや不敗のまま種牡馬となったオーヴァルエースなどを送っているが、JRA重賞勝利は2008年の京王杯2歳S(Jpn2) (優勝馬ゲットフルマークス)以来のこと。久しぶりの勝利に家族労働の牧場が沸いている。

 レース当日、牧場事務所のテレビに向かって声援を送っていたという同牧場の梅田幹也代表は「前走のポルックスSで久しぶりの勝利を記録してくれたので、もちろん勝って欲しいと思っていましたが、古馬になってからは勝てない競馬を続けていましたので、どんな競馬をしてくれるだろうかという思いの方が強かったかもしれません。期待と不安が半分ずつという気持ちだったかもしれません」。

 しかし、乗り替わった斎藤騎手に手綱を取られた愛馬は好枠を生かすかのように中団のインコースでしっかりと脚をためると最後は外から逃げ粘ろうというライバルを強襲。終わってみれば完璧な勝利で大きなタイトルをつかみ取った。

 「以前から厩舎では期待してくださった馬だそうです。今回のレースはレースの前に、こうなればよいなと思い描いていたとおりの競馬になりました。仕上げてくれた厩舎関係者、ジョッキーには感謝したいですし、今思うことは厩舎の期待に応えることができて嬉しいという思いです」と相好を崩し「この馬はホワイトフーガと同じチームで厩舎へと送り出した馬です。育成をお願いしたキタジョファームの皆さん含め、これまで関わってきたすべての方々に感謝したい」と喜びを表現した。

 牧場時代のヴァルツァーシャルについては「牧場時代から素直な気性で扱いやすく、筋肉量に恵まれた馬でした。その当時から芝馬ではないなと思っていましたが、思っていた通りに成長してくれました」と話し「マクフィとの配合は自分で決めました」という。

 血統に造詣が深い梅田さんは9代血統表を用意して、生じるクロスや血統の相性などを参考に配合を決めているそうだ。ちなみにヴァルツァーシャルの母バイカターキンについては(バイカターキン)の母の父グラスワンダーに入るダンジグを意識しているとのこと。ほぼすべての馬が、ダンジグのクロスを保有している。

 「それとマクフィと当牧場は相性が良いのです。オープンまで行ってくれたペイシャフェスタも当牧場の生産馬ですから」と白い歯を見せた。

 「今回のマーチS(G3)では強い馬を相手に強い競馬をしてくれました。無事であることが1番ですが、この馬に期待してくださっている方々のためにも頑張って、もし種牡馬となることができたなら本当に嬉しいですし、恩返しになると思います」と期待に胸を膨らませている。