重賞ウィナーレポート

2024年03月17日 スプリングS G2

2024年03月17日 中山競馬場 晴 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シックスペンス

プロフィール

生年月日
2021年04月17日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦3勝
総収得賞金
72,873,000円
キズナ
母 (母父)
フィンレイズラッキーチャーム(USA)  by  Twirling Candy(USA)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
国枝 栄
騎手
C.ルメール

 母のフィンレイズラッキーチャームを由来とする、その馬名の意味は「幸運をもたらすお守り」。運だけではなく、実力も兼ね備えたシックスペンスはデビューからの3連勝でスプリングS(G2)を制覇。無傷の4連勝での日本ダービー(G1)制覇を目指す。

 育成を手掛けたのはノーザンファーム早来の山内厩舎。外国産馬とはなるが、高松宮記念(G1)を制したマッドクールも山内厩舎の育成馬である。

 「イヤリングから来た頃から右前の出し方がそれほど良くなく、また体質も強く無かったので、騎乗調教も時間をかけながら進めていきました」とは山内大輔厩舎長。2歳の春を迎えてから体質の強化は図られつつあったものの、右前の違和感はいつまで経っても変わらなかった。

 「入厩の目処を付けるべく、屋内坂路でハロン15の時計を出すことにしました。すると、見た目にも速い時計を出した時の方が動きが良かっただけでなく、騎乗していたスタッフも『物凄くいい反応を見せていました』と驚いていました」(山内厩舎長)

 ここまでじっくりと体質強化を図ってきたこともあってか、速い時計を出してからのシックスペンスは、動きだけでなく、馬体もガラッと変わっていく。2歳の6月下旬にはノーザンファーム天栄へと移動。そこで再度調整された後、7月末には管理が行われる国枝厩舎へ入厩を果たした。

 2歳の9月に出走したメイクデビュー中山では、単勝1.5倍と言う圧倒的な支持に答えて優勝。12月には1勝クラスのひいらぎ賞にも勝利。脚元のケアもあり、十分な感覚を取った上でスプリングS(G2)へと出走してきた。

 「デビュー戦の走りだけでなく、ラップタイムを見た時に改めて、ポテンシャルの高さを確認しました。ひいらぎ賞も仕掛けた時の反応が抜群であり、このまま無事に使っていけたのならば、クラシックでもいいところがあるのではと考えるようになりました」

 スプリングS(G2)でも1番人気を背負ったシックスペンスは、好スタートから3番手でレースを運んでいく。前半の1,000m通過は63秒1と、ゆったりとした流れとなったが、それでも折り合いを欠くことは無く、最後の直線へと向かっていく。

 逃げたアレグロブリランテと、並びかけるコスモブッドレアを持ったままで交わしにかかったシックスペンスは、鞍上のC.ルメール騎手のゴーサインに即座に反応。一気に後続との差を広げていく。結果は2着のアレグロブリランテに3馬身半差をつけての快勝。一気にクラシックの主役に躍り出た。

 「同じシャドーロールを付けていることもありますが、ナリタブライアンのレースによく似ていると思いました。皐月賞(G1)への参戦は見送りましたが、日本ダービー(G1)は万全の状態で出走してこれそうです。育成時の印象や、これまでの3戦の内容からしても、距離の不安は感じていないので、日本ダービー(G1)でどんなレースを見せてくれるか楽しみです」

 ナリタブライアンが日本ダービー(G1)を制したのは1994年。その時は2着馬に5馬身差をつけての圧勝だったが、今年、同じシャドーロールを付けたシックスペンスが、その時の再現を果たすかのようなレースを見せてくれるのかもしれない。