2024年03月03日 弥生賞ディープインパクト記念 G2
優勝馬:コスモキュランダ
プロフィール
- 生年月日
- 2021年02月23日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦2勝
- 総収得賞金
- 176,198,000円
- 父
- アルアイン
- 母 (母父)
- サザンスピード(AUS) by Southern Image(USA)
- 馬主
- (有) ビッグレッドファーム
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 加藤 士津八
- 騎手
- M.デムーロ
上位3着馬までに皐月賞(G1)の優先出走権が与えられる第61回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(G2)が3月3日、中山競馬場で行われM.・デムーロ騎手騎乗の6番人気コスモキュランダが1分59秒8のレースレコードで優勝。2度目の重賞挑戦で初戴冠を記録し、通算成績を7戦2勝とした、手綱を取ったM.・デムーロ騎手は昨年のみやこS(G3)以来のJRA重賞勝利で通算111勝目。加藤士津八調教師は昨年の京王杯2歳S(G2)以来の重賞勝利で通算2勝目の重賞勝利となった。
コスモキュランダの生まれ故郷は新冠町のビッグレッドファーム。1974年創業の総合牧場で、オークス馬ユーバーレーベンや、天皇賞・(春)(G1)優勝のマイネルキッツ、あるいはJBCスプリント(Jpn1)に勝ったドリームバレンチノなどを送り出しており、JRA重賞勝利は昨年の中山大障害(JG1)に続く勝利となった。
この日、春のクラシックを占う意味でも重要な1戦に挑む愛馬を、同ファームの蛯名聡マネージャーは牧場事務所のテレビを通して応援していたという。
「デビュー前からスタッフの間でも評判になっていた馬ですし、個人的にも期待していた1頭です。前走の内容からスムーズな競馬さえできれば皐月賞(G1)の優先出走権以上のレースをしてくれるだろうなと思っていました」とレース前は思っていたそうだが、スタートでまさかの出遅れ。その瞬間は「強いメンバーが相手でしたから、厳しい競馬になるな」と思ったそうだ。しかし、この日が初騎乗となったM.・デムーロ騎手は道中のペースが遅いと判断し、向こう正面でリカバリー。4角で先頭に並びかけて抜け出すと、その勢いはゴールまで衰えることなく、あっさりと後続の追撃を封じ込めた。
「私の想像を超えた走りには驚かされました。テレビの前から一生懸命に応援していましたが、ゴール前で声が出なかったのはユーバーレーベンのオークス(G1)以来です」と、少し照れたように当日の思いを話してくれた。
豪州産の母サザンスピードは2020年ノーザンファーム繁殖牝馬セールで購入した。「牝馬ながらに重賞のコールフィールドC(G1)含め7勝をあげていた活躍牝馬でした。そのときに受胎していたアルアイン産駒がコスモキュランダです。生まれたときから馬格に恵まれ、良い意味でゆとりがあった馬。体は大きかったのですが、重苦しいところがなく俊敏な動きをしていました。それは本格的な育成を行うようになっても変わることなく、大きな期待とともにトレセンへと送り出した1頭でした」。
しかし、2歳6月のデビュー戦は思いもよらない大敗を喫してしまう。「結果はショックでしたけど、逆にあれだけ負けてしまうということは自分の競馬が出来なかっただけ。すぐに気持ちを切り替えることができました」とのこと。
その後、レースキャリアを重ねながら経験を力に変えて大きなタイトルを手中にすることができた。
「クラシックは、どの馬も目標とするレースですから簡単なレースにはならないでしょうが、悔いが残らないような競馬をして欲しいですし、願わくばグループの悲願でもある最大目標の日本ダービー(G1)につながるような競馬をして欲しいと願っています」と、皐月賞(G1)当日は、遠い北の空からエールを送るつもりだ。