重賞ウィナーレポート

2024年01月21日 AJCC G2

2024年01月21日 中山競馬場 曇 不良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:チャックネイト

プロフィール

生年月日
2018年05月08日 06歳
性別/毛色
せん/鹿毛
戦績
国内:15戦5勝
総収得賞金
145,027,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ゴジップガール(USA)  by  Dynaformer(USA)
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
堀 宣行
騎手
R.キング

 短期免許制度を利用して、今年の1月6日から中央競馬で騎乗を行っているレイチェル・キング騎手。そのキング騎手にとってだけでなく、外国人女性騎手としても中央重賞初制覇をあげたのが、AJCC(G2)を制したチャックネイトだった。

 チャックネイトもまた、これが初重賞制覇となるが、6歳の騸馬ながらもまだ15戦しかしていないように、幾度となく休養を繰り返してきた。

 「一昨年は喘鳴症の手術、昨年は去勢処置で小休止を繰り返してきました」とは社台ファームの石井猛牡馬調教主任。3歳2月のメイクデビュー東京で初戦を迎えたチャックネイトが、初勝利をあげたのはデビュー4戦目となる函館競馬場での3歳未勝利戦となる。その後も掲示板を外さない安定したレースを見せていくも、4歳時の箱根特別で5着に敗れたあとに喘鳴症の手術を行っている。

 復帰後は更にレース内容は安定していき、複勝圏内を外さないどころか、2勝クラスの長良川特別を勝利。ただ、気性の難しさが能力を阻害しているとの判断から、5歳時の早春Sの後には去勢手術も行われた。

 「獣医陣を含めた社台ファーム千歳のスタッフと、山元トレーニングセンタースタッフの復帰にかけてきた思い。そして堀先生や厩舎の皆さんのご尽力も加わったことが、安定した活躍だけでなく、AJCC(G2)におけるゴール前でのファイトバックに繋がったように思います」(石井牡馬調教主任)

 去勢手術明け2戦目となる六社Sを勝利して、初の重賞挑戦となるアルゼンチン共和国杯(G2)でも、勝ち馬から0秒2差での3着同着と、重賞級の能力があることを証明していく。

 不良馬場で行われた今年のAJCC(G2)だが、石井牡馬調教主任の「ファイトバック」という言葉にも表れたように、チャックネイトの闘争心は終始衰えぬことがなかった。

 ゴール前では外から脚を伸ばしてきた、同じ勝負服のボッケリーニに一度は交わされるも、キング騎手のダイナミックなアクションに反応して、ゴール板手前で並びかけていく。写真判定の結果、ハナ差だけ抜け出していたのはチャックネイトだった。

 「ここまで待ってくださった金子オーナーに、少しでもお返しできたことが何よりも嬉しいです。今年は本格化した姿で、古馬重賞戦線の主役を張り続けてほしいです」とエールを送った石井牡馬調教主任。レースを使われていなかっただけに、6歳馬としてはまだまだフレッシュであり、心身ともに不安が解消されてきた今のチャックネイトならば、安定感を超えて更なる高みへと突き抜けてくれそうだ。