重賞ウィナーレポート

2024年01月06日 中山金杯 G3

2024年01月06日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:リカンカブール

プロフィール

生年月日
2019年04月16日 05歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:10戦5勝
総収得賞金
125,640,000円
シルバーステート
母 (母父)
アンブラッセモワ(FR)  by  Zoffany(IRE)
馬主
(株) ラ・メール
生産者
辻 牧場 (浦河)
調教師
田中 克典
騎手
津村 明秀

 JRA日本中央競馬会の開幕を告げる中距離ハンデ重賞「第73回日刊スポーツ賞中山金杯(G3)」が1月6日、中山競馬場2000mで行われ、津村明秀騎手騎乗の5番人気リカンカブールが好位のイン追走から、最後の直線で馬場の真ん中を力強く抜け出し、4度目の重賞挑戦で初勝利。通算成績を10戦5勝としている。勝ちタイムは1分58秒9。手綱を取った津村騎手の重賞勝利は23年12月のカペラS(G3)に続くもので通算16勝目。2020年に免許を取得した田中克典調教師は延べ16度目の重賞挑戦で初勝利となった。

 辻牧場は1910年創業の老舗牧場。その歴史の中で菊花賞馬ニホンピロムーテーや皐月賞馬タイセイホープ、ニホンピローエース。桜花賞などに勝ったインターグロリアなどを輩出しているが、JRA重賞勝利は21年エリザベス女王杯(G1)(優勝馬アカイイト)以来2年2か月ぶりの重賞勝利となった。

 同牧場の辻助さんは「前走のチャレンジカップ(G3)も期待していたのですが、休み明けでゲートで不利もありました。それでもしっかりと脚を使ってくれていましたし、中山競馬場2000mコースは勝利経験のあるコース。今回はハンデ戦でもあり、期待していました。(生産馬の重賞勝利は)ちょっと間があいてしまったから嬉しい。嬉しいというかほっとしています」と白い歯を見せた。

 母アンブラッセモワは仏国ドーヴィルのアルカナセール出身馬。4代母ジェノヴェファがロワイヨモン賞(G3)優勝馬で、曾祖母エジラールがシャケトラの母サマーハと半姉妹という関係にある血統馬だ。

 「リカンカブールはシルバーステートの初年度産駒。球節が長くて、柔らかく、おっとり性格の馬でした。馬格にも恵まれ、牧場時代から見栄えのする馬でしたが、その当時から馬がしっかりしてくるまでには時間がかかるかな、という思いで見ていました」と振り返る。だから、2歳10月にデビューしてきたときは、順調に育てられたのだなと嬉しかったです」という。その1戦で結果を出すことはできなかったが、その走りを見て「この馬は走ってくる」という予感めいたものを感じたそうだ。

 馬は、その期待に応えるようにデビュー2戦目に勝ち上がり、10戦目での重賞初勝利。デビュー戦とフォーチュンCを除けば、いまだ重賞以外では負けていない。

 「今回は休み明けを叩かれて体も絞れての出走でしたが、こうして重賞競走に勝つことができたのは田中克典調教師が無理せずにしっかりと間隔を空けながら使ってくれたおかげだと思います。5歳馬ですが、大事に使われてきた馬だけにまだまだ強くなってくれる余地があると思います。1歳には同じシルバーステートを持つ全弟がいて、母のアンブラッセモワは今年コントレイルの仔を出産予定です。期待しているオーナーのためにも無事に生まれて欲しいですし、リカンカブールは怪我などしないように長く活躍して欲しいと思います」とエールが送られた。