重賞ウィナーレポート

2023年12月23日 阪神C G2

2023年12月23日 阪神競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウインマーベル

プロフィール

生年月日
2019年05月08日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:20戦5勝
総収得賞金
322,405,000円
アイルハヴアナザー(USA)
母 (母父)
コスモマーベラス  by  フジキセキ
馬主
(株) ウイン
生産者
コスモヴューファーム (新冠)
調教師
深山 雅史
騎手
松山 弘平

 優勝馬にはサウジアラビアの国際招待競走1351ターフスプリント(G2)への優先出走権が与えられる「第18回阪神カップ(G2)」が12月23日に行われ、松山弘平騎手騎乗の4番人気ウインマーベルが最後の直線で早めに抜け出して後続を完封。2019年にグランアレグリアが記録したタイムをコンマ1秒上回る1分19秒3(良)で優勝した。

 ウインマーベルの生まれ故郷は新冠町のコスモヴューファーム。1996年創業と比較的歴史の浅い牧場だが、本場含めて5つの牧場を持ち、生産から育成、調教、休養を行い総合牧場だ。その歴史の中で香港カップ(G1)、香港クイーンエリザベス二世C(G1)など国内外の重賞7勝ウインブライト、香港ヴァーズ(G1)など国内外の重賞4勝ウインマリリンほかスワンS(G2)優勝ウイングレイテストなどを送ってきた。2023年ブリーダーズランキングはJRA11位、総合13位。

 (株)ウインの岡田義広代表はレース当日、阪神競馬場に足を運んでいたそうだ。「スワンS(G2)に続いて、ウイングレイテストとの2頭出し。パドックではどちらの馬も良い状態に見えました」とレースに向けて、しっかり仕上げてレースに挑んだ厩舎関係者に感謝の意を表しながら「前走と同じ距離でも京都競馬場から阪神競馬場へのコース変わりがポイントだと思っていましたが、それにしてもスプリンターズS(G1)優勝2頭含む、G1級の強いメンバーを相手に馬も頑張ってくれたと思いますし、ゴール前ではR.ムーア騎手とルメール騎手との追い比べを制した松山騎手も素晴らしい騎乗をしてくれたと思います」と感想を述べたあと「負けてしまったとはいえ、ウイングレイテストも先行馬にとって厳しい流れの中、外枠から最後まで頑張ってくれました。残り100mくらいではワン・ツー・フィニッシュを夢見ました」と、やや悔しさをにじませた。それでも、ウインマーベルにとって重賞勝利は3歳時の葵S(G3)に続き2勝目。その間にスプリンターズS(G1)のクビ差2着含め2着3回。「もともとスタートがあまり上手な馬ではなかったのですが、深山厩舎の方々がしっかりとケアしてくれたことも大きいと思います。今回はゲートをうまく出てくれたおかげで良いポジションでレースをすることができたことも勝因だと思います」と声を弾ませた。惜しいレースを繰り返してきただけに喜びもひとしおだったようだ。

 母のコスモマーベラスは「ひだかトレーニングセール」出身馬。公開調教では抜群の動きを見せ、重賞格上げ前のターコイズS2連覇など現役時代は7勝を挙げた期待の牝馬だった。「父アイルハヴアナザー、母の父フジキセキという組み合わせにはアナザートゥルースやマイネルユキツバキがいて、相性の良い配合だと思っていました。それでしつこいくらいにアイルハヴアナザーを配合してきましたが、日本での最後の世代から活躍馬を出してくれたことも嬉しいです」と白い歯を見せ「5月生まれで、同期の馬に比べるとやや小柄という印象でしたが、月次年齢的には十分な馬でした。馬体のバランスが良い馬で、筋肉量も豊富。それでも、こうして活躍してくれたのは全姉兄たちに比べると成長力を兼ね備えていたことが大きいと思います。改めてこの馬の能力を示してくれたと思いますし、このような競馬ができればまだまだ活躍してくれると思います」とインタビューを締めくくってくれた。