重賞ウィナーレポート

2023年12月09日 中日新聞杯 G3

2023年12月09日 中京競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヤマニンサルバム

プロフィール

生年月日
2019年04月09日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:20戦6勝
総収得賞金
152,323,000円
イスラボニータ
母 (母父)
ヤマニンエマイユ  by  ホワイトマズル(GB)
馬主
土井 肇
生産者
錦岡牧場 (新冠)
調教師
中村 直也
騎手
三浦 皇成

 暮れの中京開催を締めくくる第59回中日新聞杯(G3)が12月9日に行われ、2番人気で三浦皇成騎手騎乗のヤマニンサルバムが好スタートから好位のインで脚をため、最後は楽に抜け出して先頭ゴールイン。6度目の重賞挑戦で初勝利。通算成績を20戦6勝2着4回3着4回とした。手綱を取った三浦騎手は23年東京新聞杯(G3)以来の重賞勝利で通算21勝目。管理する中村直也調教師は23年レパードS(G3)以来の重賞勝利で通算2勝目となった。

 ヤマニンサルバムの生まれ故郷は新冠町の錦岡牧場。1955年、苫小牧市の錦岡地区に牧場を創業したことからその地名を由来とする。その後、理想の土地を求めて1979年に新冠町へと移設。現在は生産から育成、調教までを行うオーナーブリーディングの総合牧場だ。天皇賞(秋)(G1)などG1競走3勝のヤマニンゼファーや阪神牝馬ステークス(G2)を2勝のジョリーダンス、札幌記念(G2)でブエナビスタを破ったヤマニンキングリーなどを送り出してきた。その間、育成馬ヤマニンアンプリメがJBCレディクラシック(Jpn1)などダートグレード3勝はあるものの、生産馬としては2011年シリウスS(G3) (優勝馬ヤマニンキングリー)以来のJRA重賞勝利に牧場が沸いている。

 「レースは牧場休憩室にあるテレビに向かってスタッフみんなで応援していました。残り200mくらいで抜け出して、外から2着馬が迫ってきてるのは見えていましたが、ゴール前では勝利を確信しました。その瞬間は、もちろん、嬉しいのは嬉しかったのですが、なかなか勝てない時期がありましたので、勝ててほっとしたというのが正直なところ気持ちかもしれません」と表情を緩ませたのは育成スタッフの和田さん。埼玉県出身の28歳。錦岡牧場に入社したのちヤマニンサルバムと同期のヤマニンゼストが22年神戸新聞杯(G2)で2着しているものの、和田さん自身にとっては錦岡牧場に入社して初めて経験するJRA重賞勝利に笑顔を広げている。

 牧場時代のヤマニンサルバムについて「自分が入社した2歳2月から、この馬に触らせてもらいました。今はレースに行けば真面目に走ってくれますが、その当時は元気でやんちゃな一面がある一方で、どちらかといえばのんびり屋。今思えば、オンオフの切り替えが上手な馬だったんでね」と振り返る。

 その思いは昨年夏に牧場に戻ってきた時にも感じたそうで「函館記念(G3)を使ったことで帰厩当初はテンションが高かったのですが、牧場に戻ってきたことを理解するとのんびりと過ごしていました。そんな馬がこうして結果を残してくれたことで、たくさんのことを馬から教えてもらったような、そんな気持ちです」と話してくれた。

 その後、牧場で英気を養ったヤマニンサルバムはリステッドレース、G3重賞を連勝し、次は金鯱賞(G2)を目指す。

 「金鯱賞(G2)も牧場から応援する予定です。相手は、さらに強くなっていますので、連勝中とはいえ、やはり胸を借りる立場だと思います。ただ、ヤマニンサルバムは、まだまだ成長の余地を残していると思いますので、そういう強い馬たちを相手に今、この馬がどんな競馬をしてくれるのか、楽しみにしています」と、テレビの前から精一杯の応援をする予定だという。