重賞ウィナーレポート

2023年11月11日 武蔵野S G3

2023年11月11日 東京競馬場 曇 良 ダ 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ドライスタウト

プロフィール

生年月日
2019年03月21日 04歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:10戦6勝
総収得賞金
195,194,000円
シニスターミニスター(USA)
母 (母父)
マストバイアイテム  by  アフリート(CAN)
馬主
(株) YGGホースクラブ
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
牧浦 充徳
騎手
横山 武史

 2023年11月11日、東京中日スポーツ杯第28回武蔵野S(G3)が東京競馬場ダート1600m(良)の16頭立てで行われ、優勝したのは2番人気で、日高町の下河辺牧場生産ドライスタウト(4歳、父シニスターミニスター、母マストバイアイテム)。横山武史騎手とは初めてのコンビとなったが、好スタートから馬群の先頭集団の4~5番手につけ、直線に向くと鞍上のムチに応えるように外から鋭く伸びて優勝。勝ち時計は1分35秒2。これまで全日本2歳優駿(Jpn1)、テレ玉杯オーバルスプリント(Jpn3)と2つのダートグレードに勝利しているものの、JRA重賞初制覇となった。

 レース当日は、実弟の下河辺隆行代表とともに米国の繁殖セールに出張中だったという下河辺行雄代表は「今年に入ってから勝ちきれないレースが続いていましたが、前走のテレ玉杯オーバルスプリント(Jpn3)で、改めて能力を再認識していました。今回はスタートも非常に良く前半で楽なポジションをキープできたうえに、最後の直線でもスムーズに外に出すことができました。すべてが上手くいったような印象ですが、これまでどちらかといえば短めの距離の方がレースをしやすいのではないかと思っていたので、この距離で強い競馬をしてくれたことが嬉しいです」と声を弾ませた。

 母系をたどれば1994年の米国キーンランド社ミックスセールで本馬の4代母にあたるパーフェクトポイントを購入したところから始まる。重賞勝ちこそないものの、リステッドレースに勝ち、重賞で入着を何度も重ねた活躍牝馬だ。その期待のほどは、本邦輸入後初年度に前々年のチャンピオンサイアーで、前年の同ランキング2位リアルシャダイを配合したことからも想像に難くない。

 「母のマストバイアイテムはアフリート産駒なので産駒たちにはダートで活躍する姿を想像して配合してきました。初仔のヨハン(父ヨハネスブルグ)はダートで4勝をあげました。4番仔のドライスタウトが生まれた姿はヨハンに身体つきがそっくりでした。兄と同じように“お尻の目立った”いかにもダートが得意そうな馬だなあと感じました。アフリートの肌にシニスターミニスターを配合したことで“思い通りのダート馬”が生まれたなという感慨深い印象をもったのをよく覚えています。幼少時は“健康優良児”でまったく手がかからず、担当者も安心して見ていられる馬だと言っていました。まさしく“特徴が無いのが特徴”という典型的な仔馬でした。年明けのフェブラリーS(G1)は頑張ってほしいでね。これまで一度も掲示板を外していない堅実さ。これがドライスタウトの強みです。この馬らしい良いレースをしてもらいたいですね」と期待に胸を膨らませている。

 ※2024年1月18日に同馬は左前脚屈腱炎を発症し9か月間の休養が発表された。