2023年11月12日 福島記念 G3
優勝馬:ホウオウエミーズ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年05月20日 06歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:29戦6勝
- 総収得賞金
- 178,693,000円
- 馬主
- 小笹 芳央
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 池上 昌和
- 騎手
- 田辺 裕信
2歳8月のデビューから、ほぼ休みなく走り続けること29戦目。6歳11月で迎えた福島記念(G3)で、ホウオウエミーズはついに重賞タイトルを掴み取った。
「本馬は2018年のセレクトセール1歳セッションにて、小笹(芳央)オーナーにご落札いただいただけでなく、ここまで大事にレースに使ってもらっています」とは社台ファームの千葉英昭繁殖主任。母のエミーズスマイルはアネモネSを優勝など、中央で2勝をあげている。近親には北海道2歳優駿(Jpn3)の優勝馬ディラクエや、3歳時にはUAEダービー(G2)、そして4歳を迎えた今年もコリアC(G3)を優勝した、クラウンプライドの名前も見つけられる。
「この牝系の出身馬らしく、キャリアに比例して強さが増している印象があります。6歳となった今シーズンも、現役続行にこだわったオーナーの熱意が最高の形となって実を結んでくれました」(千葉繁殖主任)
その思いをホウオウエミーズも受け取ったのかもしれない。今年はマーメイドS(G3)と七夕賞(G3)でいずれも3着。どちらのレースも二桁人気での好走だった。昨年に続く連覇を狙った新潟牝馬Sでは2着に敗れるも、福島記念(G3)ではこれまでの鬱憤を晴らすかのような快走を見せていく。
スタート直後、外枠に入ったカントルが落馬で競走中止となるアクシデントこそあったが、3枠からじっくりとゲートを出たホウオウエミーズは、縦長となった流れを後方からレースを進めていく。
1000m通過は59秒5という速い流れとなる中、徐々にポジションを上げていくと、3コーナー過ぎから進出を開始。密集した馬群の外から交わしにかかると、最後の直線では抜群の手応えで先頭へと躍り出る。ゴール前ではそれを目標としたかのように追い込んできた、ダンディズムとの叩き合いとなるが、ハナ差制した場所がゴールとなった。
「4代母のグレイキルを起点に、長きに渡って社台Fを支えてくれている優良牝系です。枝葉を伸ばしているだけでなく、活力も衰えていないことは、本馬の活躍に加えて、クラウンプライドといった重賞馬の活躍にも証明されています」(千葉繁殖主任)
オーナーの意向もあって、次走は初のG1挑戦となる有馬記念(G1)への出走が決定。そしてこのレースがホウオウエミーズにとってラストランとなる。
「メンバーは強くなりますが、ここでも頑張ってほしいという思いもありつつ、無事に牧場に帰って来てほしいという願いも強く持っています」と思いを語る千葉繁殖主任。福島記念(G3)のレースがここでも再現できたのならば、有馬記念(G1)でも楽しみな1頭と言えそうだ。