重賞ウィナーレポート

2023年11月03日 JBCLクラシック(中央交流) Jpn1

2023年11月03日 大井競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アイコンテーラー

プロフィール

生年月日
2018年05月02日 05歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:22戦6勝
総収得賞金
219,780,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
ボイルトウショウ  by  ケイムホーム(USA)
馬主
中西 浩一
生産者
畠山牧場 (静内)
調教師
河内 洋
騎手
松山 弘平

 砂の女王決定戦「農林水産大臣賞典 第13回JBCレディスクラシック(Jpn1)」は11月3日に大井競馬場外回り1800mコースで行われ、数日前に負傷した負傷した武豊騎手から乗り替わった松山弘平騎手騎乗の1番人気アイコンテーラーが持ち前の先行力を十分に発揮。早め先頭から最後は後続を突き放して1分52秒9(良)で優勝。重賞初勝利をJpn1の大舞台で飾った。

 同馬の生まれ故郷は1948年(昭和23年)に創業したという新ひだか町の畠山牧場。現在代表を務める畠山史人社長の祖父にあたる勝馬さんが牧場を築き、73年(同48年)に法人化。現在は同町農屋に位置する本場と、全天候型ウッドチップ坂路、1周1000mのダートトラックコースなどを備える「豊畑トレーニングセンター」を併せ持つ総合牧場だ。先代の重博さんの時代にはアルコセニョーラ(新潟記念(G3)、福島記念(Jpn3))クールホタルビ(ファンタジーS(G3))などの活躍馬を出しているが、生産馬のJpn1勝利は初。大井競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ち会った畠山社長は笑顔を広げている。

 「相手は強い馬ばかりでしたし、まだ顔を合わせた事がない馬もいる中で1番人気に支持された事は驚きました。パドックでは良い状態に見えましたし、松山騎手がスタートもうまく出てくれて、道中はこの馬らしい競馬をしてくれたと思いますが、直線入り口でテリオスベルが勢いよく迫ってきたときは、さすが楽な競馬はさせてもらえない舞台だなと思いました」と振り返り「私の席がゴール板を過ぎた1角寄りだったので正直言えばゴールした瞬間は2着馬との距離感がよく分からなかったのです。ただ、私よりも見易い位置でレースを見ていた中西オーナーがとても喜んでいらっしゃったのが見えたので、その姿を見て勝利を確信しました。終わってみたら4馬身も差があってびっくりしました」と頭をかいた。

 そんなアイコンテーラーだが、牧場時代は特別目立つ馬ではなかったそうだ。「縁あって当牧場で繁殖生活に入ることになった母ボイルトウショウは、JRAの未勝利馬で、馬格にも恵まれない馬でしたが、半兄に重賞勝ち馬(トウショウナイト)がいる血統背景が素晴らしく、また現役時代には逃げて惜しい3着もあり、期待の繁殖牝馬でした」。アイコンテーラーはその第3仔。前年にキズナを配合していることからその期待の高さも伺えるが、この年、配合相手に選ばれたのは現役生活を引退したばかりのドゥラメンテだったが「生まれたときは、女の子らしい牝馬だったという記憶があります」と当時の様子を表現し「ボイルトウショウはとにかく牝馬しか生んでくれない。今年もビッグアーサーの牝馬を生んでくれたので、7出産機会連続で牝馬です。そろそろ牡馬を生んで欲しいと思っています」と、ここは苦笑いしながら教えてくれた。

 そして、この勝利のあとほどなくして陣営からはチャンピオンズC(G1)への挑戦が発表された。「生産者としては、とにかく無事が1番。この馬がここまで強くなったのは私たちの手を離れたあとの育成牧場や厩舎関係者、そのほかすべての方々のおかげ。チャンピオンズC(G1)はとてつもなく強いオトコ馬たちが相手になりますので楽な競馬はさせてもらえないでしょうが、悔いのないようなレースをしてくれることを願いつつ、それでいて結果が伴えば最高。そう思いながら応援したいと思います」と晴れやかな表情で答えてくれた。