重賞ウィナーレポート

2023年11月04日 ファンタジーS G3

2023年11月04日 京都競馬場 曇 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:カルチャーデイ

プロフィール

生年月日
2021年05月17日 02歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:2戦2勝
総収得賞金
36,837,000円
ファインニードル
母 (母父)
ラルティスタ  by  マイネルラヴ(USA)
馬主
(株) MMSホールディングス
生産者
松田牧場 (静内)
調教師
四位 洋文
騎手
酒井 学

 2019年以来、4年ぶりに京都競馬場で行われた第28回KBS京都賞ファンタジーS(G3)は、離れた好位を進んでいた酒井学騎手騎乗の15番人気カルチャーデイが最後の直線で馬場の中央を堂々と抜け出して1分20秒4(良)で優勝。通算成績を2戦2勝とした。酒井学騎手の重賞制覇は21年京都牝馬S(G3)以来で通算18勝目。管理する四位調教師にとっては9月のシリウスS(G3)以来で通算2勝目。種牡馬ファインニードルにとっても、嬉しい産駒のJRA重賞初勝利となった。

 カルチャーデイの生まれ故郷は新ひだか町の松田牧場。昭和26年創業という歴史ある牧場で、現在代表を務める松田大地社長の祖父、松田文雄氏によってアラブの繁殖牝馬1頭から馬産の歴史をスタートさせている。とはいうものの農業をしていた関係で馬の扱いには慣れており、また文雄氏の実兄が中央競馬の厩務員として働いていたというから馬とは縁の深いファミリーだ。

 その歴史の中で1980、81年の最優秀2歳、3歳牝馬でオークスに勝ったテンモンや2012年の新潟2歳S(G3)優勝ザラストロ、あるいは2014年の福島牝馬S(G3)、15年の京都牝馬S(G3)を勝ったケイアイエレガントなどを送り出している牧場で、先日引退式を行った熊沢重文騎手とのコンビで中山大障害(JG1)を勝ったマーベラスカイザーも同牧場の生産馬だ。

 ファンタジーS(G3)当日、レースをリアルタイムで見ていたという松田大地社長は「人気はなかったですが、小倉競馬場でのデビュー戦も強い内容だったと思いましたし、どんな競馬をしてくれるのか楽しみにしていました」とレース前の心境を話し、速い流れを追走しながらしっかりと勝ち切った愛馬を「でも、まさかいきなり重賞競走を勝ってくれるとは思いませんでした」と褒めたたえた。

 カルチャーデイの母ラルティスタは、松田牧場生産馬で新潟2歳S(G3)優勝ザラストロ(父ホワイトマズル)の半姉だ。「セクシーココナッツの血を引く馬は、気が強い馬が多いのですが、マイネルラヴ産駒のラルティスタも現役時代は新潟競馬場の直線1000mで特別戦も勝ってくれたようなスピード馬で、繁殖牝馬としてもロードカナロアとの間に現役オープン馬メイショウチタンを生んでくれています」と松田社長。「スピード系種牡馬との相性が良いのでは」と選ばれたのが「スピードが魅力で、好きだった」というファインニードル。そうして生まれた仔(カルチャーデイ)は「5月17日生まれだったために成長曲線がゆっくり目でしたが、出来が良かったので」とセプテンバーセールへと上場し、現在の馬主と巡り合った。「(この活躍は)狙い通りの活躍というよりも狙い以上です」と白い歯を見せた。

 そして、不敗のまま阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)へと駒を進めることになる。このレースは母ラルティスタの半妹プレノタートが挑み、敗れたレースでもある。「今度は距離が200m伸びて、坂がある阪神コース。強い馬も出てきますが、この馬自身もまだ成長の余地があると思っています。悔いがないように自分の競馬をして欲しいと思っています」という思いとともに競馬場で応援したいと頬を紅潮させた。