重賞ウィナーレポート

2023年10月08日 毎日王冠 G2

2023年10月08日 東京競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:エルトンバローズ

プロフィール

生年月日
2020年03月18日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:8戦4勝
総収得賞金
155,821,000円
ディープブリランテ
母 (母父)
ショウナンカラット  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
猪熊 広次
生産者
桑田牧場 (荻伏)
調教師
杉山 晴紀
騎手
西村 淳也

 2023年10月8日、第74回毎日王冠(G2)は良馬場の東京競馬場芝1800m、12頭立てで行われた。優勝馬は3歳牡馬エルトンバローズ(父ディープブリランテ、母ショウナンカラット)生産者は浦河町の有限会社桑田牧場。単勝17.5倍のエルトンバローズは4番人気という評価にもかかわらず、春の安田記念(G1)、ヴィクトリアマイル(G1)優勝で1番人気ソングライン、一昨年の覇者でNHKマイルカップ(G1)の優勝経験もある2番人気シュネルマイスター、これら2頭のG1馬がゴール前急襲するなか先に抜け出してハナ差退け、4連勝で重賞2勝目を勝ち獲った。西村淳也騎手の重賞勝利は今年4勝目で通算6勝目。管理する杉山晴紀調教師(栗東)にとっては今年4勝目で通算17勝目の重賞勝利となった。

 同馬は2022年10月に阪神競馬場芝1800m新馬戦でデビューするも2着。その後、翌年の4月におこなわれた未勝利戦で勝ち上がるまで5戦を要した。一方、勝ちきれないレースでも最速の上りタイムを2度もマークするなど実力は示した。勝ち星に恵まれないレースが続き同馬は関係者をやきもきさせた。そしてついに4月16日の阪神競馬場芝1600m戦で初勝利を遂げた。次いで5月の京都競馬場芝1600m戦の3歳馬1勝クラスで連勝を遂げ、その勢いで7月2日福島競馬場芝1800mのラジオNIKKEI賞(G3)で見事に重賞競走を初制覇した。

 生産牧場の桑田牧場は1962年創業。7人のスタッフで繁殖牝馬20頭を管理する。オーナーの桑田美智代氏は「配合にこだわり」「馬が育つ環境にこだわり」「働くスタッフにこだわり」と三つの信条を掲げている。

 エルトンバローズは馬体重506kgで毎日王冠(G2)に出走しているものの桑田美智代さんは「今でこそ立派な大型馬ですが、牧場で生まれたときはごく普通のサイズでした。また特に病気や怪我をすることもなく気性も穏やか。ある意味、目立たない馬でした」と語る。

 母ショウナンカラット(父ブライアンズタイム)は桑田牧場の生産馬。桑田さんは「肌馬はブライアンズタイム産駒。牧場としても期待はしていました。2013年にディープインパクトを交配。翌年はハーツクライ。その次の年はオルフェーヴル。いわゆる大物といわれる種牡馬を続けて掛け合わせて来ました。エルトンバローズは7頭目の産駒で、ディープブリランテにとっては6世代目産駒。ディープブリランテを交配した当時、初年度産駒のセダブリランテスが重賞を2勝していましたし、配合を決めた春はミッキーブリランテ、グレイスアンが活躍していました。ディープインパクトの後継種牡馬になると思ったからです」と。そして2020年に牡馬エルトンバローズが誕生した。「母ショウナンカラットはなかなか勝てそうで勝ちきれませんでした。しかし名牝ベガの血統につながるニュースヴァリューの仔にブライアンズタイムを掛け合わせた馬でしたので、いつかは・・・という想いはありました。現2歳ヘンリーバローズの牝馬や1歳ロジャーバローズの牡馬もディープインパクトの子供達を掛け合わせた産駒です。頑張ってほしいですね」と語る。

 毎日王冠(G2)は当日臨場できない猪熊オーナーからの依頼もあって東京競馬場で観戦したという。「パドックでの馬体は素晴らしいものでした。4番人気。果たして3歳馬が強豪のG1馬達にどこまでやれるかなあ・・・と胸を借りるつもりで観ていました。レース観戦中は偶然、隣に吉田勝巳さんがいらしたので、ノーザンファーム生産馬シュネルマイスターとソングラインがゴール前で迫ってきたときは、ああ負けたかなと思ったのですが、写真判定後の着順表示板には6番!それは嬉しかったですね」と声を弾ませ、さらなる活躍を期待している。