重賞ウィナーレポート

2023年09月30日 シリウスS G3

2023年09月30日 阪神競馬場 曇 良 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ハギノアレグリアス

プロフィール

生年月日
2017年04月27日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:15戦7勝
総収得賞金
219,050,000円
キズナ
母 (母父)
タニノカリス  by  ジェネラス(IRE)
馬主
日隈 良江
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
四位 洋文
騎手
岩田 望来

 JBCクラシック(Jpn1)、チャンピオンズカップ(G1)、そして東京大賞典(G1)と続く秋一連のダートチャンピオンシップ競走へと続く第27回シリウスS(G3)はトップハンデ58.5キロを課されながらも1番人気の支持を受けたハギノアレグリアスが最後の直線で豪快に脚を伸ばして優勝。今年3月の名古屋大賞典(Jpn3)に続く重賞制覇となった。

 同馬の生まれ故郷は新ひだか町の岡田スタッド。1972年創業の総合牧場で、その歴史の中で有馬記念(G1)優勝のマツリダゴッホや2022年の最優秀4歳以上牡馬のタイトルホルダー、2016年JRA賞最優秀ダートホースのサウンドトゥルー、ダートグレード19勝の日本記録を持つスマートファルコンなどの個性派を送り出してきた牧場だ。

 「この勝利は、四位調教師と日隈オーナーのおかげだと思います。言葉にすれば1年半というのは簡単ですが、競走馬の寿命を考えれば、実際は本当に長い。よく辛抱してくれたと思います」と喜びを表現したのは、同スタッドの岡田牧雄代表だ。

 レースは、非開催日の札幌競馬場。パークウインズ札幌競馬場で見ていたという。

 「3歳秋に3連勝した馬ですから、期待の大きな馬でしたが、屈腱炎を患って長期休養を余儀なくされた馬です。私自身も半ばあきらめていたところ、四位調教師から『必ず復帰させますから』と言われたことを、今でもはっきりと覚えています」と調教師と交わしたエピソードを披露してくれた。

 「復帰初戦は、この馬にとってもオープンへの格上げ初戦。さすがに伸びきれませんでしたが、そこから重賞で惜しい競馬を続け、名古屋大賞典(Jpn3)も勝ってくれた。四位調教師は『オーナーの理解があってこそ』と言っていましたが、お世話になった馬主さんの馬だけに、感謝しています」と言葉を続けた。

 母タニノカリスは、ダービー馬タニノギムレットの半姉。岡田社長が代表を兼務するレックススタッドでも長く種牡馬生活を送っていたダービー馬の半姉だ。タニノカリスはカントリー牧場から譲り受けた繁殖牝馬だったが、エンパイアメーカーにオルフェーヴル、ジャスタウェイにキズナという配合種牡馬と、まだ1歳だったハギノアレグリアスをセレクトセールに上場させたことでも期待の高さがうかがえる。「あの年は1歳上の半兄(ホウオウエーデル)が予定日よりも少し遅れたのです。それでもキズナを配合したのは当時、母のタニノカリスが19歳。年齢的にもあとがないと思ったのですが、1回の配合で生まれたのがハギノアレグリアスです」というエピソードも。

 「そのあとは22歳まで種付けはしたのですが、結局ハギノアレグリアスが、母タニノカリスにとって最後の産駒になってしまいました」とも。

 「次走はチャンピオンズカップ(G1)と聞きました。長い休養があって6歳といえども、キャリアはまだ15戦。成長力のある母系ですから、まだ強くなってくれると思います。そんな馬にしてくれた調教師、厩舎スタッフ、そしてオーナーに感謝したいと思います。この馬らしい競馬を期待」とエールを送っている。